経営者必見!六韜三略:武韜

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  文伐(ぶんばつ)篇です。何度も申し上げますが、「戦わずして勝つ」ということが戦いの大原則です。その際に、謀略も講じることがあります。現代では、汚いとかずるいとか考えるでしょうが、古代中国は争いの連続。負ければ、国が亡んでしまいます。謀略はいやだなどと贅沢は言っていられません。
  日本はまじめな国なので、これがとても苦手です。20世紀の日本の歴史は、共産主義「モスクワコミンテルン」に、翻弄され続けてきました。日中戦争も、第二次世界大戦の開戦も、戦後も、モスクワコミンテルンの謀略で踊らされました。小国の日本でも、外交でこのしたたかさを身につけ、アメリカ・ロシア・中国といった大国と伍していくことが必要です。

文王(以下、文)「武力を使わないで目的を達成するにはどうすればよいか」
太公望(以下、太)「それには、十二の方法が考えられます。
①相手の欲するままに要求を聞き入れてやれば、やがて驕(おご)りの心が生じ、必ずや墓穴を掘るようなことをしでかします。それにつけこめば、必ず脅威を取り除くことができます。

②敵国の寵臣を手なずけて、君主と権力を二分させるのです。寵臣が内通して二股かけるなら、国力は必ず衰えます。朝廷に忠臣がいなければ、その国は必ず危うくなりましょう」

③側近の者に賄賂を贈って、しっかりとかれらの心をとらえるのです。身は国内に置きながら、心はわが方に寄せているのですから、相手国にとってよかろうはずがありません。

④相手国の君主に珠玉を贈り美人を献じ、女に溺れて政治を忘れるようにしむけたうえ、下手に出て、相手の言いなりになって調子を合わせるのです。そうすれば、放っておいても自ずから滅亡の道をたどることになりましょう。

⑤相手国の忠臣を厚遇し、君主への贈り物は減らすことです。されに忠臣が使者としてやってきたら、宿舎にとめおいたまま、引見しないことです。相手が埒があかずとみて新しい使者を送り込んできたら、こちらのほうを丁重に遇し、誠意を持って対応します。さすれば、相手国の君主は前の使者を疑い、後の使者を信任するでしょう。こんな策を実行すれば、相手の結束にクサビを打ち込むことができます。

⑥相手国の内臣を懐柔し、外臣を離間するのです。有能な臣下がわが方に内通し、内部もバラバラだとなれば、滅びないほうがおかしいかもしれません。

⑦相手国の野心を封じ込めようとするなら、厚く賄賂を贈って寵臣を買収し、利益で釣って職責を怠るようにしむけ、たくわえた備蓄を使わせてしまうことです。

⑧相手国の君主に重宝を贈って強力を求め、相手の利益になるようにとりはからってやります。そうすれば必ずわが方を信頼するでしょう。こうして親交をかさねていけば、必ずわが方に協力させることがdけいます。君主自らが外国に力を貸すようになれば、その国は、必ず敗れるはずです。

⑨相手国の君主を誉めあげていい気持ちにさせ、手も足も出ないふりをして言いなりになっていれば、相手もその気になるでしょう。こうして相手の君主が聖人を気取って尊大に構えるようになれば、必ず政治を怠るようになりましょう。

⑩謙虚な態度で相手国の君主に仕えて心をつかみ、なにごとも相手の意に逆らわず、頼りになる味方だと思わせるのです。おうして信頼を得たら、ひそかに策をめぐらして切り崩しをはかります。そうすれば、いずれ相手は自然に崩壊するに違いありません。

⑪相手国の力を封じ込めるには、こんな策もあります。そもそも臣下とうのは高い地位と豊かな生活を望み、危険や災難を嫌うもの。だから、相手国の有能な臣下に、内密に高い地位を約束し、重宝を送って手なずけるのです。そして、わが方にはたっぷりの備蓄があるのにないようにみせかけたうえ、こちらの息のかかった智謀の士や勇士をこっそり相手側に送り込んで作戦に参画させ、あるいはまた、わが方を見下すように工作させるのです。今以上に高い地位や生活が約束されるとなれば、わが方に肩入れする人間はいよいよ増えるばかりでしょう。こうして、相手国の力を封じ込めるのですが、こうなると、君主たるもの、とうてい国を持ちこたえることはできません。

⑫相手国の乱臣を手なずけて、君主の心を迷わし、こちらから美女や歌舞団を送って心をとろけさせ、良犬や駿馬を贈ってそちらに関心を向けさせるのです。そして、時には有利な餌をばらまいて相手を誘い、やがて好機が到来したと見るや、他の国々と手を結んで始末することを考えるのです。

 以上、十二の策を試みてから武力を行使するのです。つまり、天の時、地の利を考え、これなら勝てると見極めてから、はじめて軍事行動を起こすのです。」

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このページは、宝徳 健が2007年3月 7日 05:54に書いたブログ記事です。

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