ゲーム分析

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   本日より、心理学(精神分析学)のひとつであり、ゲーム分析を掲載していきます。これはエリックバーンという人がつくった「交流分析(TA)」というものの中のひとつです。あまりにも有名なので、ご存知の方も多いと思います。交流分析については、少しずつ解説を加えてまいります。
 ゲーム分析は、どんなものかというと、(主に)、私たちが日々暮らしていて、「あ~、面白くない」という場面に出くわすもの、それも、同じようなパターンが繰り返されるものです。このゲームが起きると、職場でも家庭でも、カップルでも、生産性が著しく低下します。分かっていてもなかなかとめることができないものです。
 気をつけて、このゲームに巻き込まれないようにすることが大切です。40種類ぐらいのゲームがあります。大切なのは、まず、ゲームを知ること。そして、起さないこと巻き込まれないことです。
 後味が悪く、いや~な感情が残ったらまずゲーム。それも、心の中で「あ~、またやっちゃった」というものです。自分を見直すよい機会にもなります。

 今日はふたつ。まずひとつのゲームを解説します。

 

【キック・ミー(私を蹴って)】
 私の知人にAさんがいます。Aさんは、人から自分が評価されるたびに、その評価してくれる人(Bさんとします)に意地悪をします。最初は、Bさんは、意味が分かりませんが、Aさんは、Bさんが怒るまで、いじわるなどをします。Bさんは、とうとう怒り出します。Aさんは、深層心理(自分では気づいていない:これが恐い)で、「ほ~ら、やっぱり、私をほめたことなんか、うそじゃない、おせじじゃない」と考えて、表面上は、「またやっちゃった」と反省しながらも、深層心理上は安心します。 
 子供から大人への成長過程で、否定(これをTA上はディスカウント(値引き)といいます)されて育った人は、人から褒められるなどのよい評価をされると、深層心理で「この人はうそを言っている」と考えて、相手をやっつけて、相手が怒ることで「ほ~ら」と安心するのです。安心するというか、自分の存在意義を求めるのです。否定されて育った人は、否定されることが自分の存在意義となります。肯定される(これを、TAではストロークといいます)ことは、自分の心理を不安定にしてしまいます。だから、わざと自分を否定させる「キック・ミー」です。恐いですね。
 PTAなどの教育現場を見ていると不安になることがあります。親(特に母親)が、自分の考え以外のことを子供が行動したら、否定します。勉強も、自分の進学の考えを子供に押し付けます。「切れる」というのは、極度の「キック・ミー(私を蹴って)」です。今の日本のくだらない知識教育を金科玉条にして、入る大学を親のステイタスにして、子供たちにいやおうなしにその道を進ませようとする。親が考えなくても、子供は、自分の人生ぐらい考える力があります。親が考えるから子供が考えなくなる。かつて、神戸でおきた、じゅん君殺害事件、サカキバラセイト(漢字忘れました)も、極度のキック・ミーです。親は、あの事件を自分の息子が起したことを信じていませんでした。

【ばかやろう】
 家庭内でこんな会話はありませんでしょうか。

子「ぼくは、ばかなんだよ」
父「おまえは、ばかじゃない」
子「いや、ばかなんだ」
父「そうではないぞ。夏休みのキャンプのとき、すばらしい働きだったそうではないか。先生がおまえのことをほめていたぞ」
子「先生の考えていることが、お父さんにわかるものか」
父「いや先生からじきじきに聞いたんだ」
子「先生はぼくのことをばかばかと言ってるよ」
父「それは、先生が冗談に荘言ってるんだ」
子「とにかく、ぼくはばかなんだ。学校の成績を見ればわかるじゃないか」
父「いや、ばかじゃない。ただ努力が足りないんだ」
子「努力はしているんだよ。だけどだめなのさ。頭が悪いんだよ。種も悪いしね。遺伝的なものはしょうがないんだよ」
父「いや頭はいいんだよ。努力不足なんだ」
子「ちがうよ。ばかなんだよ、ぼくは」
父「ばかじゃない」
子「ばかなんだ」
父「ばかじゃない、このばかやろう」

 これは完全にお父さんの負けです。「ばか」と言わされてしまいました。

 ゲームは総じて、否定(ディスカウント)を多く受けてきた人間が行います。そして、周りを巻き込み、周りを嫌な雰囲気にして、そして、自分の存在意義を出していきます。それも、無自覚的に。

 家庭や職場でゲームが起こっているうちは、絶対に、家庭の雰囲気はよくならないですし、職場の生産性は向上しません。 このゲーム分析シリーズを参考にしていただき、自分を整えてください。また、このゲーム分析等の心理学(精神分析学)指導をすると、たいていの場合、自分のことをおいておいて、人のことを気にする人が出てきます。「そうそう、このケース、あの人に当てはまる」と考えた人は、まったく無自覚な人です。まずは自分です。

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このページは、宝徳 健が2007年4月 6日 05:03に書いたブログ記事です。

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