経営者必見!六韜三略:竜韜

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   今回は、励軍篇。経営にもすごく役立ちます。故出光佐三翁が、自著のなかで、「上の者がわがままをしなければ部下はちゃんと働く」とおっしゃっています。 地位が上がるということは、その人間が偉くなることや、その人間の価値が高まることではありません。価値は、その地位にふさわしく、自らが努力してつくる あげていくことになります。それが、誤解して、地位が上がると偉くなったと錯覚する人がいます。威張る人がいます。機能と役割と責任がたいへんになり、そ れを遂行するために権限が得られたにすぎません。むしろ、それを遂行する人間性を磨いていく必要があります。「俺は、○○だ~」とふんぞり返っていてもな んの役にも立ちません。
   武王(以下、武)「全軍の将兵に対して、城攻めのときには争って城壁にとりつき、野戦のときには先を争って敵に赴き、退却の号令を聞いては怒り、進軍の号令を聞いては喜び勇むようにしたい。それにはどうすればよいか」
太公望(以下、太)「それについては三種類の将軍がおります」
武「詳しく教えて欲しい」
太「第一は、"礼将"です。冬でも毛皮の服を着ませんし、夏でも扇子を使いません。また、雨が降っても傘をかぶりません。将軍みずからがこういう苦労を体験しないことには、寒暑に苦しむ兵士の辛さを理解することができません。
 第二は"力将"ですが、これは険阻な道や泥濘(でいねい)を行軍するとき、まっさきに車から下りて歩く将軍です。みずからこういう苦労を体験しないことには、兵士の苦労を理解することができません。
 第三は"禁欲の将"です。全軍の宿舎が決まらないうちは宿舎にはいりません。全軍に食事がいきわたらないうちは、食事に手をつけません。また、火がいき わたらないうちは火を使うこともありません。みずからこういう苦労を体験しないことには、兵士の腹ぐあいを思いやることはできないのです。
 このように、将たる者があらゆる苦労を兵士と共にする。そうあってこそ兵士は、進軍の号令を聞けば喜び勇み、退却の号令を聞けば起こり、堅固な城から雨 あられと矢や石が降り注ぐ中でも争って城壁にとりつき、白刃の中でも先を争って切り込んでいくのです。それはなにも死ぬことがスキで負傷するのが楽しみだ からではありません。将たる者が自分達の苦労をすべて知っていてくれると思えばこそなのです」

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このページは、宝徳 健が2007年4月23日 07:09に書いたブログ記事です。

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