飯館村の思い出

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 福島県浜通りが新入社員の頃の営業担当だったと申し上げました。
 出張所の所在地は、郡山市です。郡山から山を越えて浜通りに行く主なルートは二つ。二本松まで出て、そこから川俣町を通って行くコース。伊達政宗の奥さんの出身地の三春や田村を通って国道288号線で行くコース。どちらも2時間から2時間半です。

 最初のコースを通ると飯館村があります。山の中です。こんな山の中が今回放射能に汚染されている恐れがあるというのです。確かに、このルートは山の低いところがずっと続いているので、浜風が吹くとそうなのかもしれません。

 飯館村にはK商店がありました。山の中なのですが、結構な販売量でした。ここの社長はお酒が大好きです。よく昼間から二人で酒盛りをしてそのまま泊まったことがありました。あっ、そうだ。そのときの社長の年が今の私の年だ。方言が強くておっしゃっていることの半分もわからないときもあります(笑)。

 ちょうど今頃かなあ。春になると社長がどぶろくを造ります(これ言ったらまずいのなか? 自家製だからいいよね)。

「宝徳さん、今日は何曜日だ」
「木曜日です」
「月、火、水、木・・・。ちょうどいい」

 何がちょうどいいのかと言うと、月曜日に大きな樽にお米とイースト菌を入れて、電気毛布でくるみ、人肌の温度で4日経つと、ちょうどよいどぶろくができるそうです。

 それから宴会です。このどぶろくのうまいのなんの。ときどき、お客さんの猟師さんが獲ってきてくれた、キジやら山鳥がつまみになることもありました。家で飲み飽きたら、今度は、外に飲みに出ます。駐在さんや、食堂の人や、隣の人・・・、私を連れて行って、
「この人、私のメーカーの担当者さんです」

 と紹介して回るのです。毎回・・・。

 そしてまた、家に帰って酒盛り。

 奥さんがお風呂をすすめてくれます。私がお風呂に入っている間に、社長はくたばって、部屋で寝てしまいます。 お風呂から上がって、飲んでいた部屋に行くと、奥さんがひとり。この奥さんが社長と年の離れた奥さんで、また、とてつもなく美人です。

 部屋で二人っきりになるとドキドキしてしまいます。もちろん何にもありませんが(笑)。

 社員の方もみんなよい人で、2年経って、私が転勤になり、挨拶にうかがうとみんな泣いてくれました。

 どうかご無事でいてください。

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このページは、宝徳 健が2011年4月 2日 17:22に書いたブログ記事です。

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