BCP(事業継続計画)

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 東日本大震災を振り返っています。災害時における阻害要因です。
 人命対策は、個々人の考え方の違いや人の特性により長期的に継続して対応することが非常に困難です。次回から、以下の3つの避難阻害要因について考えます。

①人の特性
②個々人の考え方の違い
③過信、誤信

 今日は、①人の特性を解説します。
① 人の特性
a.意識の風化
災害は忘れた頃にやってくる格言通り災害意識は風化しやすいものです。 個人3年、組織30年、 地域60年、歴史300年(東大名誉教授畑村洋太郎氏の失敗の法則より)と言われ、と災害意識やその体制の継続が非常に難しいものになっています。企業においても、BCP担当者が代わったりしたら、もう、継続しなくなってしまうケースが多々あります。以前も述べましたが、顕在化しているリスクをイベントリスク、潜在化しているリスクをグラデユアルリスクといいます。イベントリスクに比べて、グラデュアルリスクは、モチベーションが保ちにくく、意識が風化されやすいものです。

b.正常化へのバイアス(偏見)
これは社会心理学や災害心理学で語られるもので、多少の異常事態が起こっても人間は、それを正常の範囲内としてとらえ、心を平静に保とうとしてしまいます。人間が日々の生活を送るなかで生じるさまざまな変化や新しい出来事に、心が過剰に反応し疲弊しないために必要な働きではあります。でも、それがゆえに、警報が鳴った非常事態の際にも、それを異常と認識せず避難などの対応が遅れてしまうことがあります。雑居ビルや車両の火災で見られるように人は危険が迫っても実際の被害が発生するまでは逃げようとしないで被害にあってしまいます。

c.経験
今迄の警報や注意報はそれほどではなったので今度も大丈夫と経験から判断してしまう傾向です。先入観によって情報を信じない事ほど危険なものはありません。

d.集団心理
他の人の行動を見てそれに倣う特性で危険な現場でも他の人の逃げなければそれに従ってしいます。普賢岳の火砕流では火山学者の接近行動に倣った為に消防、報道等の関係者が多数落命しました。

e.肉親や仲間の救助
人としての本質であり阻害要因としては不適切な表現かもしれませんが、、結果として肉親や仲間の救助に向かって犠牲になったケースは多々見られます。

 次回は、個人の考え方について。つづく。

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このページは、宝徳 健が2011年10月28日 12:33に書いたブログ記事です。

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