「つつみ」と「むすび」 その3

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 昨日の続きです。日本の文化というのはかくも素敵なのですね。これらを知らない私たち日本人は、先人たちに失礼ですね。
  「熨斗」が本来、鮑の肉を薄く細長く削り、これを伸(の)して干したものであったことは昨日述べました。熨斗はい わゆる「生臭もの」の代表で慶事を象徴し、祝い事にはこれを進物品に添えて贈りました。また、昔は、熨斗は、祝いの宴の肴だったそうです。「贈答」の原義 が贈り主と受け取る者との共食いにあることからいえば、熨斗は、本来は添え物ではなかったようですね。

 現代では、贈答による進物が現金に変わってきました。なので、お金の包み紙の右肩に熨斗を入れた小さな折り紙をつけるようになりました。さらに、この熨斗の折り紙さえも省略したのが現在の祝儀袋です。

  熨斗は省略されましたが、今でも祝儀袋は水引で結ばれています。水引きについては明日から書きます。日本では、紙である祝儀袋を、丁寧にさらに袱紗(ふく さ)で包んで届けます。かにの包みをさらに袱紗で包むという二重の包みは、先日述べた風呂敷による贈答の包みに通じることで、「つつみ」に自らの想いをこ めるという日本人の心意気なのです。

 まさに心の文化ですね。いいな~。

 では、拙首です。

お祝いを 述べるこころを つつみこみ またつつみこみ 願ひをこめる

 今日は、正岡子規はおやすみです。

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このページは、宝徳 健が2012年4月 4日 02:42に書いたブログ記事です。

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