どの本よりわかりやすい源氏物語 超初級篇

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 今日から「薄雲」の章です。

 冬になると明石の君が住んでいる山荘の周りは心細い風景になります。光源氏は、二条の院に移るようにと、しきりに明石の君を口説きますが、思慮深い明石の君は、なかなか首を縦にふりません。光源氏は、せめて姫君だけでもと迫ると、明石の君の心は潰れそうになってしまいます。
 でも、明石の君と一緒に山荘まで来た母は、明石の君に諄々と言って聞かせます。

 姫君の幸せを願うなら、心を鬼にしてでも孫娘を二条の院に行かせるのが良いと。明石の君は悲しみにくれながらも、そのように決意しました。

 雪降りしきる山荘に、姫君の迎えの車が到着しました。車に乗るのがうれしくてならない姫君です。母上も一緒に行きましょうというその声を明石の君はまともに聞くことができません。

 山荘から二条の院まで姫君は眠りこけ、そして、いよいよ二条の院に着きました。ほんの少し母君を求めただけで、人見知りもせず早くも紫の上になついていきました。美しい姫君をその手に抱いた紫の上は有頂天です。姫君のための部屋も準備されました。そして、袴の儀が盛大にとり行われました。

 光源氏は、姫君のことは安堵しますが、山荘に残している明石の君が心配でなりません。前よりも足しげく山荘に通うようになりました。明石の君の心中を考えた紫の上は、焼きもちを焼かなくなりました。
つづく。

※袴の儀
今の七五三の原型です。初めて袴をつける儀式です。男女とも三歳から七歳ころまでに行われました。
 

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このページは、宝徳 健が2012年12月28日 05:18に書いたブログ記事です。

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