陽と陰 双方の必要性(一月三日の日誌)

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 経営者や私たちコンサルタントは、その状況によって陽と陰を使い分ける能力を身に着ける必要があるようです。
 会社の業績がよく、社員のモチベーションが高いときに、経営者が必要以上に前に出すぎてしまうことは得策ではありません。また、そのようなときには、亢龍にならないように、企業にひそむ陰を見つけていくことが大切です。つまりグラデュアルリスクへの対応です。

 逆に不況になり、社員に沈滞ムードが広がっているときに、経営者が「お前らもっとがんばらんか!」などどなったりしてはいけません。もちろん、一緒に落ち込むなど言語道断ですが。こういうときには、「大丈夫だ、俺についてこい!(そのために常にグラデュアルリスクへの対応が必要ですが)」と陽で引っ張ることが大切です(最も苦しいのは経営者であることから、これにはかなりの器量と度量が求められます。経営者は常に訓練が必要です)。

 出光佐三店主は、不況になるほど喜びました。会社の業績が悪くなるほど喜びました。逆に、会社の業績が良いときや、世の中が好況で浮かれているときなどは、いつも「人が育たない」と嘆きました。「順境にて悲観し、逆境にて楽観する」です。

 私たちコンサルもそうです。例えば、再生企業に入るときは、あらゆることが陰の状態です。つまり、昨日申し上げた坤為地(こんいち)です。すべての逆境を逆らわずに受け止めることが必要ですが、再生企業はたいていの場合、過去に成功体験があります。それを忘れられずに、すべてを受け止めることができません。また、社員に沈滞ムードが広がっています。経営陣と一緒にすべてを受け入れる「陰」と、社員の沈滞ムードを吹き飛ばす陽の両方がコンサルタントに求められます。

 承継など経営に携わるあらゆる場面で、陰と陽の使い分けが必要です。この易経というのはすごいものですね。研究に研究を重ねて、世界一わかりやすい易経を創っていきます。

 その前に、私自身が今年は陰の修業です。

 「坤為地」・・・。

 閉塞した状況に陥ると、普通人は、逆境に立ち向かい多少強引にでも何かをしなくてはならないと、その状況を乗り切るために必要なのは陽の力だと思いがちです。

 コンサル事業だけをやっていればよかったのに、要らないことに手を出して、奈落の底に叩き落された数年前私がそうでした。潜龍なのに、自分を飛龍と勘違いし、いきなり神様が私を亢龍に叩き落しました。坤為地に入っているのに、「何とかしなければ」と思い、貧すれば鈍するで、いらんことにまで手をだし、自分自身をより悪い状況に追い込めました。

 易経を読めば読むほど、学べば学ぶほど、その時の状況がよみがえり、情けなくなります。

 坤為地の卦は、閉塞した時は無理に何かをしようとしても、「天の時」「地の利」も整っていないので、より悪い状況に陥るだけだと教えます。むしろ腹を決め、淡々と素直に、泰然自若として現実を受け容れ、逆境にさえ従っていく。それを貫き通すことだと教えます。

 これを「先んずれば迷い、遅るれば主を得」と易経は解いています。

 考えてみればそうですよね。自分が経験したこともな逆境にいるということは、まったく知らない土地にいることと同じです。あせって右だ左だと右往左往しても得るものは何もありません。どんなに理不尽でも誰かに従うしかないのですから。

 古典というのはすごいなあ。十八史略という書物を読んだら、伏義(ふくぎ)という支那伝説上の最初の帝王が出てきます。頭が人で体は蛇だったということになっています。支那人の始祖とも言われています。

 その伏義から易経が始まりました。周の文王、周公旦を経て、孔子につながり確立されていったといわれています。そんな古代からの教えが、今でも通じるばかりではなく、今でも、同じ過ちを犯しているのが人間です。それなのに、ITが進んだと、退化を喜んでいます。

 不要になったものは捨てていいのですが、過去から続いている素晴らしいものをなぜ教育で教えないのだろうか。だから、同じ失敗をします。それを防いで二千六百七十三年も続いている日本に世界が驚嘆するのも無理はありません。

 易経を学ぶと、今のIT社会は、上に陽があって、下から、陰がどんどん押し上げてきている状況だということがよくわかります。ITは否定しません。ITによって人間が退化することを危惧しています。

 今まで、繰り返し易経の本を読んできて、さっぱり理解ができませんでした。でも、これで何冊目かなあ、最近読むと、少しずつ理解できるようになってきています。本とは面白いものですね。

 理解せずに読んでもいいのですね。理解しなくても読んでいくと、自然と分かるようになる。特に、数千年間の歴史の中で風化しなかった古典はそうです。

 今、学生時代をやり直せるとしたら、あのくだらない麻雀やコンパやダンパなんかには見向きもせずに、本を読みまくるでしょう。古典を中心に。おっと、まだ人生の半分だった。変わらない過去を言ってもしかたがないですね。今からやります。人を愛するために。人の力を活かせる人間になるために。理念である武士道を実践するために。今年は楽しみですが、とても怖い。自分自身が最も怖い。もしできなかったら・・・。いややるんだ・・・。このせめぎ合いをしています。

【平成二十五年度個人方針】

1.テーマ
 陰を積む
  クライアントと仲間を陽に引き上げるために自らが陰を積む(易経の坤為地(こんいち)の心を知る)
(理由)
  自分の性格と行動は明らかに陽である。しかしながら、これまでの人生を検証すると、陽のみ、つまり易経の乾為天(けいいてん)の時は、必ず亢龍の時期を迎 えている。一方、陰陽うまく重ねあわされた時には、必ず人生における充実した期間を過ごしている。わが社の理念である「武士道」を実践・実現するために も、天命を果たすためにも、クライアントおよび仲間を陽に引き上げるためにも「陰」を徹底的に身に着けることが大切と判断した。本年は、陰の修業を行う。

2.実現すること
(1)年間定量目標の達成(事業・個人)
(2)年間定性目標の達成
(3)週間行動具体策の実行
(4)日間行動具体策の実行(ルーティン)

3.行動目標
実行するための必須テーマ 夜2時の就寝または朝4時(遅くても)の起床
  目標達成のために絶対に必要な「自分を見つめなおす時間」「クライアント・仲間のことを考える時間」「ルーティン実行の時間」を創造するために、翌朝の業 務開始が早いときは夜2時までこれらを実行し、翌朝の業務開始が通常以降の時は朝4時に起きる。そのために酒量を昨年の3分の1にする。
 
4.具体的目標及び行動具体策
(1)年間目標
<事業定量目標>
①借入金の半分返済
②平成二十五年三月三十一日時点の未決事項「0」(三日前までに業務準備終了)
③ビジネスモデル50個以上作成
④新規提案100個以上
⑤売上目標(割愛) 詳細事業計画は1月末までに作成
⑥出版2冊

<個人定量目標:年間>
①3600回の感謝の気持ちを具現化する(手紙を3600通:士魂商才・年賀状を含む) 34通/3566通
②200冊以上の読書 3冊/197冊
③ブログ730通以上 7通/723通
④体重5キログラム減  明日から測ります(肉が多いから量りますの方がいいかも)
⑤寺子屋12回以上 0回
⑥和歌365首以上  6首/359首
⑦士魂商才12冊 0冊

<個人定性目標>
①大学・終戦の詔勅の完全暗唱
②易経六十四掛の内容理解
③一カ月に3日の休日

(2)週間目標
①先週検証・次週計画:1月3日〇
②息子に手紙を書く:1月3日〇
③先週業務(とくにクライアント)の検証と方針立案

(3)日間目標(ルーティン)
①私は毎朝、朝のおつとめをします(皇居遥拝、宗像大社遥拝、神拝礼)〇 1/1
②私は毎朝、三つの唱和をします(般若心経、教育勅語、大祓詞)〇 1/1
③私は毎朝、少しずつ新しい暗唱をします(今は、大学と終戦の詔書を完璧に覚えるまで)〇 1/1
④私は毎朝、三つの連携先について5分ずつ深く思考します 〇 1/1
⑤私は毎朝、一部分を順番に掃除します 〇 1/1
⑥私は毎日、新しいビジネスモデル構想を1つノートに書きだします(完成ではない) 〇 1/1
⑦私は毎日、未決管理表を詳細に読み込みます 〇 1/1
⑧私は毎日、全クライアントのことを3分以上考えます 〇 1/1
⑨私は毎日、5年間の夢、1年間の夢を3分以上眺めます 〇 1/1
⑩私は毎日、10分以上次の事業づくりの勉強をします 〇 1/1
(10/10 100.0%)

<読んだ本>
コレキヨの恋文、超訳・易経、プリンシプル

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このページは、宝徳 健が2013年1月 3日 22:19に書いたブログ記事です。

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