金閣寺(歴史的假名遣ひと正しい漢字)

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 だんだんと主人公の金閣へ對する愛情が出てきています。展開が樂しみです。
 私を燒き亡ぼす火は金閣をも燒き亡ぼすだらうといふ考へは、私をほとんど酔はせたのである。同じ禍ひ、同じ不吉な火の運命の下で、金閣と私の住む世界は同一の次元に屬することになった。私の脆い醜い肉體と同じく、金閣は硬いながら、燃えやすい炭素の肉體を持つてゐた。さう思ふと、時あつて、逃走する賊が高貴な寳石を嚥み込んで隱匿するやうに、私の肉のなか、私の組織のなかに、金閣を隱し持つて逃げのびることもできるやうな氣がした。

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このページは、宝徳 健が2014年11月 3日 03:06に書いたブログ記事です。

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