英霊たちの言霊(ことだま) 其の九

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塚本太郎命
慶應義塾大學
茨城県出身
海軍第四期兵科予備學生
大正十二年十月四日生
昭和二十年一月二十一日沒
満二十一歳
海軍大尉
 昭和二十年一月九日、回天特別攻撃隊「金剛隊」隊員として、伊四八潜水艦に乘り組み徳山湾・大津島基地を出撃、同年一月二十一日、ウルシー泊地の敵艦に突入、戦死。

「母に元氣をつけてやつて下さい。お願いします」と、塚本少尉に頼まれた近所に住む野村宗一郎氏は、戰後、燒け出されて防空壕生活をしてゐる塚本家の境遇を見兼ねて、資金の提供を申し出ました。

 昭和二十三年、塚本家は野村さんと共同出資で、塚本少尉が愛した地域の人々のためにもと、風呂屋を開業しました。

 塚本少尉の名前をとり「太郎湯」と名付けられた風呂屋の入り口には、生前、少尉がよく口にした格言「自分の爲には汗を流し、人の爲には涙を流せ」に因んで、次の言葉が掲げられました。


自分の爲には
汗を流し
人のた爲には
涙を流せ

皆さんの汗は
足ろう湯で流す

 亡兄の思ひが込められた「太郎湯」は、弟さんが採算を度外視して、平成四年三月まで營業し續けられました。

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このページは、宝徳 健が2014年12月 5日 10:54に書いたブログ記事です。

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