金融情勢を讀む(皇紀弐千六百七十六年一月二十一日)

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 十日もブログをさぼりました。すみません。北陸は寒かった~。少し風邪気味です。

 新年に入ってから世界情勢がきな臭いですね~。特に大事件は、IMFが、2016年10月から支那の人民元をSDR(特別引出權)の構成通貨に採用することを決めたことです。

 これには、EUの思惑がありまます。
 IMFの筆頭株主(クォータ・シェアはアメリカ、二位が日本です。でもEU合計では、日本をはるかに上回る額です。

 EUは、今、經濟がどん底です。その大きな要因はギリシャ問題です。2013年にギリシャ危機が本格化して以來、ギリシャ國債の価格が三年間で約十分の一になりました。ギリシャ國債に投資してゐた銀行はことごとく財務状況が惡化しました。そこで、スイスのバーゼルに本部を置くBIS(國際決濟銀行)が、銀行に対する自己資本規制を強化させました(詳細割愛)。

 そんななか、みなさんご存知のフォルクスワーゲンのディーゼルエンジン不正事件が起きました。ドイツ銀行は、なんと、この不正を起こしたフォルクスワーゲンへの融資を斷わりました。フォルクスワーゲンのメインバンクはこのドイツ銀行で、しかも、監査役會議長を派遣してゐるにもかかはらずです。

 EUの不況とフォルクスワーゲン問題は、EUに今、金がないことを示してゐます。

 そこでIMFのラガルド専務理事は北京に飛び、人民元をSDRの構成通貨にしたいと習近平に申し出たのです。EUにしてみれば、人民元建てで融資を受けても、SDRを通じて、資金をドルやポンド、圓に替えることができます。

 イギリスはどうでしょうか? 

 イギリスには國内の旺盛な住宅需要があります。イギリスの住宅は日本よりもはるかに寿命が長く、資産價値が高まつたところで家を賣却し、新しい家を購入する人がたくさんゐます。そのためイギリスには住宅ローンの大きなマーケットがあります。

 でも、イギリスの銀行がBISから不良債権処理をやかましくいはれてゐますがら、新規の貸し出しが難しくなつてゐます。そこで、イギリスは、先ほどのドイツと同じく、人民元建ての國際を新たな資金調達源としようともくろみました。

 アメリカと日本がAIIBを阻止しようとしても、EU各國が、AIIBに參加した理由はここにあります。

 さて、支那は今後どのように對應していくのでせうか? つづく

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宝徳先生

 サボりすぎ!今回は、マジでくたばったか、と覚悟?しました。
 こちらに来る用事を作らなければなりませんね。今年もよろしくお願いします。

orkさん。おはようございます。コメント感謝します。申し訳ございませんでした。くたばらないから安心してください。そうそう、行きたい。そちらに。こちらこそ本年もよろしくお願いします。

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このブログ記事について

このページは、宝徳 健が2016年1月21日 01:59に書いたブログ記事です。

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