微睡み(皇紀弐千六百七十六年三月二十七日)

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 もう、三月二十七日なのですね。早いな~。バタバタしてゐると、節を忘れて過ごしてしまひます。これはとてもいけないことですね。四季が明確な我が國は、昔から「節(ふし)」を大切に生活してきました。なんと七十二個の季節を感じながら生きてきたのです(七十二候:しちじゅうにこう)。

 でも、だんだん暖かくなると昼間でも眠たくなります。春眠暁を覚えずですね。なんて書きました。これよく使はれるのですが、間違へた表現です。本來の意味は・・・。
春眠暁を覺へず(春眠不覺曉):春の眠りは心地よく、うつかり寢過ごし、夜明けに氣付かない
處處啼鳥を聞く(處處聞啼鳥):目覺めてみると、ところどころで鳥がさえずつてゐて天氣が良さそうだ
夜來風雨の音(夜來風雨聲):さういへば、昨夜は風雨の吹き荒れる音がした
花落つること知る多少(花落知多少):せつかくの花がどれほど落ちたことか

 有名な孟浩然の詩です。
 つまり、夜寢てゐるときの歌なのです。だから昼間眠たい言葉ではありません。

 まあ、そんな理屈はどうでもいいや。だつて春は本當に眠たいんだもの。

 微睡みは「まどろみ」と讀みます。うとうとすることですね。語源は「目(ま)」に「とろむ」がついものだとか。「とろむ」は、「とける」「とろける」などと同源ださうです。

 確かに、眠くてたまらないとき、目がとろけてしまひさうですね~( ´艸`)。

 古人は、春は蛙に目を借りられるから眠いのだと考へて、「蛙の目借時(めかりどき)」と云つたさうです。うまいですね~。昔の人は、言葉の天才です。

 「あたたかくなりましたね。そのせいで、眠くて眠くて・・・。微睡みの春がやつてきたやうです」なんて手紙に書くといいですね。

おい蛙 お前のせいで 目がとける 春の微睡み 俺の目返せ

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このページは、宝徳 健が2016年3月27日 04:06に書いたブログ記事です。

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