負けるが勝ち(皇紀弐千六百七十六年七月十四日 參)

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 先日の問題はわかったでせうか?この感覺を身に着けると、人との折衝力が格段に向上します。
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 まず最初に選択するAから考えます。Aが一番得をするのは、第三段階の16万円です。ですから、ゲームを第三段階まで續行しなければなりません。つまり、ノーを言ひ續けることになりま。でも、AはBの動向もわかつてゐます。第二段階でAがノーと言つたら、Bはイエスと言つて、第二段階でゲームを終了させます。なぜなら、Bが第二段階でノーと云ふと、せっかく8万円もらへるところが、4万円に減つてしまふからです。

 第二段階で終はると、Aは、2万円しかもらへません。なので、Aは、第一段階でイエスと言つてゲームを終了させるのです。このやうに、スタートからではなく、ゴールから考へていく方法を「後ろ向き帰納法」と云ひます。

 この問題は理屈の上では納得いくかもしれませんが、多くの方がしつくりこないでせう。

 第三段階までいけば4倍の報酬がもらえるのにもかかわらず、第一段階でゲームが終了してしまうからです。

 このようにすべてのプレイヤーが相手の戦略をもとに、自己の利益を最大化しようとしたときに起こる均衡状態を「ナッシュの均衡」といいます。ナッシュとはかう云ふ考え方で、ノーベル經濟學賞をとつた人の名前です。少し勉強をしたことがある人なら「囚人のジレンマ」といふ言葉を聞いたことがあると思ひます。では、囚人のジレンマをみてみませう。


 ある事件で二人組の容疑者A、Bが捕まりました。警察は犯行を自白させるために、次のやうな条件を出しました。

  • 二人とも黙秘すれば、二人に懲役2年の刑を与える。
  • 一人だけ自白した場合は、自白した方は無罪にする。黙秘した方には懲役10年の刑を与える。
  • 二人とも自白すれば、二人に懲役5年の刑を与える。


 取り調べは別室で行われていて、二人は相談できないとする。このとき二人の容疑者A、Bはどうするだろうか?さあ、あなたの答へは?


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このページは、宝徳 健が2016年7月14日 03:31に書いたブログ記事です。

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