ローマクラブ(皇紀弐千六百七十六年二月十六日)

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 學生時代は、まだ經濟成長期でした。ジャパン・アズ・ナンバーワンといふ本も上梓され、我が國は「1億総中流社會」といふおよそ資本主義においては、理想的な社會を築き上げていました。

 敗戰利得者である愚かなるメディアはそんな我が國が氣にくいません。今では格差を批判してゐるくせに、當時は、その中流社會を、非個性的だと非難してゐました。

 我が日本がそんな理想的な社會を築き上げるので、不埒な歐米もくやしくてしかたがありません。私たちが住んでいる家を「ウサギ小屋」と馬鹿にし、我が日本人を、「エコノミック・アニマル」と批判しました。愚かなるメディアは、その批判に乘り、むしろ「格差社會をつくれ」と云はんばかりの報道を展開しました。

 我が日本を陥れるためのアングロサクソンの策略なのかどうかは私にはうかがい知ることはできませんが、そんななか、「成長の限界」といふ本が上梓されました。ローマクラブといふところが書いた本です。
 このまま經濟成長が續き、人口が増えていくと、世界經濟は破綻するといふ内容でした。

 學生時代にそれを讀んだ私は「なんて人間といふ存在を否定した本なんだらう」と思ひました。成長したい、そのためには技術革新や人間としての成長を志向するといふ人間の本能ともいふべきものを否定してゐました。確か昭和56年ぐらいの出版だつたと記憶してゐます(1981年)。

 案の定、その後、人間社會は、技術革新をはかり、人口増を上回る食料を含む資源開発(創造)に成功しました。今の世界人口は60億人を上回りますが、(一部地政學で問題がある地域を除いて)飢餓は起きてゐません(飢餓が起きてゐる地域は、人口増が問題なのではなく、多分に政治バランスが問題)。

 私の學生時代の専攻は、經濟學です(計量経済學)。その經濟學にもおかしな考へ方がありました。マルサスの人口論といふものです。このローマクラブと同じことを云つてゐました。結果は前述のとおりです。

 さて、今、人口減少が問題になつてゐます。どうして????

 當時は、人口増が世界を滅ぼす。人口増が經濟を破壊すると、學者もメディアも大騒ぎしていたのに、今度は、人口減が世界を滅ぼすと云つてゐます。笑つてしまひます。

 官僚の作文にしたがつて、彼らが自分の仕事をしやすいやうに(つまり予算を獲得しやすいやうに)世論を誘導する。それにメディアが乘せられ、税金の無駄使いが發生する・・・。もうこの繰り返しはやめませうよ。

 官僚が「地方消滅」などといふ愚かな作文を出版し、その本が賣れてゐます。愚か極まりありません。

 人口が減っても地方は消滅しません。消滅するのは自治體、つまり行政です。行政が困るから予算を使ふなど、行政のために地方があるのではありません。行政のために臣民がゐるのではありません。

 この本當に愚かなる行爲を早く見破る賢い臣民になりませう。

 官僚が手掛けた事業で、官僚が出した補助金で成功したものがありますか?彼らはこと事業に関しては無能なのです。

 そして、自分たちの都合で仕事をすることは、食料自給率が世界で唯一カロリーベースで計算されてゐることをみてもわかりますよね。

 最近の地方創生議論をみるたびに、さう思います。

 どうすればいいかって? 官僚の予算を大幅に削り、民間に金が囘はるやうにすればよいだけです。日本人は、民の方が優秀だつたといふ歴史さえ取り戻せば。

 江戸時代の人口は、1000万人ちょっとです。それでも、我が國歴史上、最高の地方文化が花咲きました。敎育でも、官の敎育がなかつたおかげで、臣民はとても賢くなりました。何の心配もいりません。國防だけが心配ですが。

 とにかく、官僚やメディアや海外の我が國精神分離作戰に乘る愚かな國民にならないやうにしませう。

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このページは、宝徳 健が2016年2月16日 04:14に書いたブログ記事です。

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