ずるいですよね(皇紀弐千六百七十六年六月十九日 弍)

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 アメリカやイギリスで信じられない殺人事件が起きてゐます。日本人でよかつた。ローマ帝國が、キリスト敎カトリック教會主義によつて、歐州は、暗黑の千数百年を經驗することになりました。宗敎戰爭に陥り、「異教徒は殺さなくてはならな(異教徒だけではなく、同じキリスト教でも他の宗派も)といふ私たち日本人では信じられない光景が繰り広げられました。疲れに着かれてオランダの女王が「異教徒は殺さなくてもいい」といい、ルネサンス(再生:ローマ帝國の時代に戻ろう)」が起こりウエストフェリア體制が構築されました。疲れに疲れた中世を經驗した、歐州は、必死でこの歐州公法を守ろうとしました。でも、アメリカやイスラムはこれを經驗してゐません。

 もつとも、穩やかだつたイスラムをあんな原理主義に戻してしまつたのは歐米にほかなりませんが。

 とにかく「自分と違ふ考への人間は殺していい」「ただしい歴史を知つてゐる。それだけで殺す十分な理由になる」といふ考へ方はまだ生きているのですね。彼らの中で。

 また前置きが長くなつてしまひました。三菱東京UFJは、ずるいですよね。メガは、本來の義務を果たしてゐません。
 銀行業界最大手の同行は、國債入札に有利な条件で參加でいる特別資格を政府に返上すると表明しました。日銀のマイナスい金利政策にノーと言つたのです。

 國債入札特別資格を持つた銀行はすべての入札で發行豫定がくの4%以上に應札する義務があります。マイナス金利のもとでは、額面よりも髙い値段で國債を賈うことになります。まあ、我が國の國債相場が下落することは考へにくいのですが、もし、下落すれば大損するといふのが彼等の理屈でせう。

 これは、特權で守られた銀行特有の考へ方です。一般の企業はどうでせうか? どんなに減價を切りつめても、市場価格が低下すれば時には、赤字覚悟で事業を繼續しなければならないケースだつて多々あります。それでもみんな必死に事業を守つてゐるのです。

 銀行は、低コストで預金者から資金を集め、より高い金利で融資し、利ザヤを確実に稼げるといふ特權を國から與へられてゐます。さらに、日銀の當座預金に資金を寝かせてゐるだけで、大半は、日銀から0.1%の利子が得られます。銀行員が寢てゐてもです。

 銀行法第一条「國民經濟の健全なる發展に資する」といふお題目のお蔭で。

 國債は金融市場のかなめです。銀行が國債を購入し市場安定に貢献するから、國民から集めた預金を源泉とする資金を政府に供給して世の中のお金の循環がうまくいきます。それに、我が國の、國債國内消化率は95%です。だから、政府が債務を有しても(國の借金ではない)、財政が破綻しません。

 それに、日銀が年間80兆圓と新規發行の2倍以上もの國債を銀行から賈ひ上げてゐるので、國債は品不足で、むしろ國債相場は上がつてゐます。つまり、金利が低くても、賈つた時の價格よりも、高い値段で売れるので銀行は損はしないのです。

 そんなことより、銀行は、日銀過保護の世界(何もしなくても金利をもらえる)から早く出て、本來の經濟貢献をすべきです。

 今回のマイナス金利は、デフレ化で、債權運用でしか儲けなかつた銀行の甘えが許されなくなつたのだけです。なら、融資や株式で儲ければいい。

 なんなら日銀當座預金の超過準備分に對する0.1%の利子も廢止すればいい。そうすれば、2100億円の銀行業界の収益がぶっとぶので、眞劍にならざるを得ません。みなさん、金融機関とはこれほど甘やかされてゐるのです。

 銀行の國内外融資額は、安倍政權になつてから増え始めましたが、まだ力強さに欠けてゐます。中小企業向けの融資の際によく使はれる、信用保証協會による融資は、融資額の80%が銀行に對して保障されるにもかかはらず、前年比で3%しか伸びてゐません。つまり、本來業務を銀行が行つてゐないことを意味します。なんと、20%のリスクに尻込みする業界なのです。

 一方、海外の融資は、60兆圓も増加してゐます(國内は40兆圓)。日銀が銀行から國債を購入してくれるので、銀行の國債保有殘髙は減り續け、そこで得た資金を國内ではなく、海外で運用しているのが銀行です。

 昔の銀行は、こんなことはなかつたのですがね~。もつと侍でした。

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このページは、宝徳 健が2016年6月19日 06:25に書いたブログ記事です。

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