フランス革命と保守(皇紀弍千六百七十六年五月十二日 參)

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 倉山満が、「この本を讀まずして保守を語るな」といふ名著「フランス革命に抗して シャトーブリアンとロマン主義 伊東冬美著 中公新書」の參考に書いてゐます。

 ロベスピエールのことを書こうと思つたのですが、シャトーブリアンについて少し書きます。生い立ちなんかは省略します。殘忍なフランス革命に失望したシャトーブリアンは、新天地アメリカに渡ります。この時點でも、まだ、シャトーブリアンは共和政にあこがれてゐます。アメリカ共和國について、シャトーブリアンは、三つの問題点を擧げてゐます。これは十八世紀の出來事です。現代のアメリカと比較してみても面白い。
1.統合の問題
 アメリカは西歐の一國の面積に相當する面積を持つ州の集合體です。この広大な地に生活するのは、民族、言語、宗敎、風習、慣習、利害を異にする植民者です。同質性を欠く人間たちの場合、州單位の統合を實現するのも樂ではありません。統合を用意ならしめる、君主の不在です。

 これは、今も引き續いてゐますね。アメリカ人は、アメリカが世界で一番強い國であることが統合の唯一のよりどころとなつてゐます。ここから轉げ落ちるとアメリカはバラバラになるでせう。それと、愚民化政策です。アメリカ人は、不勉強です(ほんの一部の支配層を除いて)。ただしい歴史など知るよしもありません。その愚民化政策故が、統合を容易にしてゐる面があることを忘れてはなりません。

 二番目は、不平等問題、三番目は法の問題にシャトーブリアンは言及してゐます。つづく

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このページは、宝徳 健が2016年5月12日 08:25に書いたブログ記事です。

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