源氏物語 22(皇紀弐千六百七十六年八月十三日 參)

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 光源氏が別の館に夕顔を連れて行きました。

 たどり着いた館は、あばらやです。牛車(ぎっしゃ)を降り、濃い霧の中、留守居の案内で草露を踏み分けていきます。夕顔は心細くなつてきます。光源氏の作戰なのです。夕顔はこんな心細いところでは、光源氏に頼るしかありません。
 薄闇を背景にして白い薄紫を重ねて、はなやかならぬ姿に細いからだがなよなよとあはれに映り、ささやく言葉もいじらしい。うんうん。勉強になります。光源氏はここではじめて顔を見せます。

夕顔に 紐とく花は 玉ぼこの たよりに見えし 縁(え)にこそありけれ

(この前あなたからいただいた白扇の和歌をふまへて返歌をし顔を見せたけれど、ああ、あの時の縁ですね)

 これに對し、夕顔は

光ありと 見し夕顔の 上露は たそかれ時の 空目なりけり

(あのとき光り輝く梅雨のやうに見えた美しさは、たそがれどきの見間違ひかしら)

 やりますね~。「光源氏がどうだいい男だろう」と詠んだのに對し、夕顔は「よく見ると、それほどでもないわ」と返してゐます(笑)。

 さて、二人が一晩中やることをやつて、光源氏はトロトロと眠りに入ります。

 すると、恐ろしい事件が・・・・。

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このページは、宝徳 健が2016年8月13日 07:14に書いたブログ記事です。

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