源氏物語 25(皇紀弐千六百七十六年八月三十一日 四)

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 なんと、夕顔が亡くなつてしまひました。自宅 二条院に歸つた光源氏はヒッキーになつてしまひました。

光「どうして一緒に行つてやらなかつたのか。もし山寺で生き返つたら、見捨てられたと思ひ私を恨むだらうなあ」

 自責の念がこみあげ、夕顔へのいとおしさも募ります。頭は痛くなるし発熱もしました。
 頭中將(とうのちゅうじょう:覺へてゐますか?)が帝の使ひとしてやつてきて、「参内するやうにとの命だ。昨夜もいなかつたが、どうしていたんだ?」と問ひかけます。光源氏は苦し紛れに

「乳母を見舞いに行つたところ、その家の者が休止したんだ。穢れの軆なので参内できない」と云ひます。

 夜になりました。惟光がやつてきました。

惟「つつがなく手配しました」

光「あれが最期だつたんだな、本當に」

惟「はい」

光「右近(光源氏の乳母の息子)はどうしてゐる」

惟「自分も死にたいと。本當に死ぬかもしれません。よくなだめてはおきましたが」

光「さうか。不都合かもしれないが、私もこのままでは氣がすまない。もう一度亡骸に別れを告げたい」

 と馬で山寺を訪ねて最後の別れを惜しみました。つづく

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このページは、宝徳 健が2016年8月31日 01:57に書いたブログ記事です。

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