源氏物語 44(皇紀弐千六百七十七年一月十三日 弐)

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 名前は覺へなくてよいのですが、どうしても紹介したい女性がゐます。「源典侍(げんのないし)」です。人柄もよく、才氣もあり、出自もよいのですが、とても好色なんです。十分に年を取つてゐるのに、その氣は衰えません。

 光源氏は、好奇心をそそれら、冗談半分に誘いかけてみました。すると、典侍は、その氣になるではありませんか。
 人に知られてはみつともないので、光源氏はすげなくします。すると典侍は、本氣で恨み悲しみます。仕方なく歌などを交換して痴話をしてゐると、それを帝にみられて、二人とも狼狽します。

 親友の頭中將(とうのちゅうじょう:久しぶりですね)も、「あの女はいつまで好色なんだ」と、この2人の關係をからかつてやらうとしたのですが、ミイラ取りがミイラになつてしまひました。

 典侍も、まんざらではありませんが、やはり本命は光源氏です。

 ある夜、光源氏が典侍をたずね、歌などを交換してゐると、そこに頭中將が來るではありませんか。光源氏は隱れます。頭中將は、「どんなやつが懸想してゐるのだ」と抜刀します。よく見ると光源氏。二人は少し小競り合いをしますが、大笑い。頭中將が、一本取った形でからかいの種にされてしまひます。

光「あ~あ、またつまらないおんなと付き合つてしまつた」

 さて、前囘申し上げましたが、源氏物語を讀むときには、紫式部を意図を讀みとるのがコツです。

 頭中將もとてもよい男なのですが、光源氏には負けてゐます。この2人のライバル意識で、源氏物語と云ふ小説に味付けをしやうとしてゐます。

 特にこの第七帖は、頭中將のことが詳しくかかれてゐます。これからはじまるバトルの前の小休止のやうに・・・・。

 藤壺が中宮に立ちます。一波乱もふた波乱もあります。

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このページは、宝徳 健が2017年1月13日 04:07に書いたブログ記事です。

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