霞始靆(皇紀弐千六百七十七年二月二十七日 四)

| コメント(0) | トラックバック(0)
 お詫びしなければなりません。土脉潤起は、雨水の初候でした。

 霞始靆が雨水の次候です。明日までです。「かすみはじめてたなびく」と讀みます。

 霧やもやのため、遠くの山や景色がほのかに現れては消え、山野の情景に趣が加わる頃です。春に出る霧を霞(かすみ)と呼び、夜の霞は朧(おぼろ)と呼ばれます。

 ちやうど今、源氏物語は、朧月夜を書いてゐます。
 秋の霧(秋立つ霧)と春の霞(春立つ霞) は、氣象的には同じ現象です。微細な水滴が空中に浮遊するため、空がぼんやりして、遠方がはつきりと見えない氣象現象をいひます。霞、霧と、靄(もや)との違ひは、視界が1km以上の場合が靄、1km未満のときに霞や霧になるさうです。

佐保姫の 霞の衣ぬ きをうすみ 花の錦を たちやかさねむ 後鳥羽院
(佐保姫の霞の衣は横糸が少なく薄織りしているので、花でできた錦を重ね着するのだろうか)

 

昔の日本人は、山々の裾野に広がる霞のことを、春を司る神樣「佐保姫(さおひめ)」がまとう着物の裾に例えたさうです。


 素敵ですね。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.soepark.jp/mot/mt/mt-tb.cgi/6707

コメントする

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261

このブログ記事について

このページは、宝徳 健が2017年2月27日 00:22に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「日本語の學習(皇紀弐千六百七十七年二月二十七日 參)」です。

次のブログ記事は「75.5㎏(皇紀弐千六百七十七年二月二十八日)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。