源氏物語 59(皇紀弐千六百七十七年五月四日 六)

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 このシリーズは、本來の源氏物語の登場人物を絞りに絞って紹介してゐます。源氏物語を讀んで、一番しんどい思ひをするのは、登場人物の相關關係がわからなくなることです。

 軸となつてゐるのは、もう、亡くなつてゐるのに、常に、桐壺です。桐壺を愛した帝はなんと、桐壺帝と呼ばれてゐます。桐壺を瓜二つの美しさで、光源氏を虜にし、そして、光源氏と禁断の愛を育み、光源氏の子まで産む(誰も知らない)、藤壺。自分の理想の女にしようと小さいころから面倒をみてゐる藤壺の姪 紫の上(若紫)。この軸に、いろいろな女性がからんできます。この軸をしっかり押さえ、この軸に女性たちがどうからんでいるかを讀み解くことが源氏物語を讀むこつです。

 さあ、その若紫(當分この呼び方をします)と光源氏がいよいよ男女の仲になります。
 いろいろな騒動があつた仲、久しぶりに光源氏は、本宅である二条院に歸ります。

 二条院は、東の對(たい)、つまり東の一角が光源氏の住まいです。西の對、すはなち西の一角に若紫が暮してゐます。光源氏は、西の對を訪ねると、久しぶりの光源氏の歸還にみんなが華やいでゐます。とりわけ若紫はしばらく會はないうちに、かはいらしさを残したまま大人の色氣が出てきてゐます。光源氏が几帳をあげて覗き見ると、はすかいを向いて恥ずかしそうにします。

「なんて、藤壺に似てゐるんだ」

 光源氏はうれしくてたまりません。

 光源氏は二十二歳、若紫は十四歳。光源氏は少し前から結婚を匂はす言葉を若紫に寄せてゐますが、若紫のはうは氣づきません。

「もうそろそろかなあ」

 さあ、さあ・・・・・ どうなることやら。

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このページは、宝徳 健が2017年5月 4日 04:56に書いたブログ記事です。

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