どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再2(皇紀弐千六百七十七年五月十七日 五)

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 これを書いたら▲33です。 

 仕事の合間にブログを書くのはいいなあ。

 あの素晴らしい小説を正しく知ってもらうために、再掲載しますね。

 その前に、前回、前城主の妻、玉梓(たまずさ)という女性が登場しました。この女、とんでもない食わせ物で、ある部下と密通し、自分の夫を殺害してしまったのです。だから、里見義實(よしざね)は、その部下をやっつけて、自分が城主となったのです。そのとき、玉梓は、里見家に禍をふりかけると宣言して、首を切られたのです。

 この話が、最近の八犬傳でぐちゃぐちゃになってゐます。玉梓が義實の奥方だったとか、義實が前情趣を奪ったとか。許せないですね。

 閑話休題。つづきです。
 その後、周辺の領主を従え、房総半島では肩を並べるものがなくなりました。当時の房総半島は、群雄割拠の時代でした。

 義実は、義成と伏姫という子供をもうけて、幸せに暮らしていました。

 それから、前回書いた、飢饉にみまわれた話です。
 飢饉に見舞われると、盟友を誓った館山城主安西景連が、なんと、手のひらを返したように、房総半島の覇者となりたいことと、伏姫を我がものにしたいために、里見領に襲撃をかけ、里見城を包囲してしまいました。食料の準備が万全でない里見城は落城すんぜんです。きっと、伏姫はきれいだったのでしょうね~。

 義実は八房という大きな老犬を飼っていました。この八房は富山の奥に住む狸の乳で育てられた犬だったのです。八房も飢えてやせてしまっていました。

 余談ですが、富山(とみやま)とは、原文では「とやま」と呼ばれています。標高350メートルで、房総で一番高い山です。ここに前回ご紹介した、伏姫と八房がともに過ごした洞窟があります。えっ? ほんとうの話かって? どうでもいいじゃないですか、そんなことは。そういう考えを持つから、現代人から創造性がなくなって行くのです。情緒やロマンがなくなっていくのです。

 えっと、話を戻しましょう。義実は、八房の首を撫でながら、言いました。

「おまえも腹が減ったか。犬は主の恩を忘れぬというが、おまえはどうだ? もし、恩を知っているならば、寄せ手の陣に忍び込んで、にっくき敵将、安西景連(かげつら)を食い殺してくれ」と冗談にいえば、八房は主人の顔をじっと見上げて、わかったと答えたように見えました。

 そこで義実が、あらためて言いました。

「そででは、手柄を立てて来い。そうしたら、魚と肉とを腹いっぱい食べさせよう」

 でも、八房はそ知らぬ顔をします。そこで、

「よしよし、それなら役人の位をさずけよう」

 それでも、八房は無視します。ということで、

「それなら、伏姫と娶わせて私の婿にしてやろう」

 と義実はとんでもない約束をします。八房は尾をふり、頭を上げて、主人の顔をみつめながら、吠えました。

 さ~あ、これからどうなるか~。こんな約束をして知~らないっと。

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このページは、宝徳 健が2017年5月17日 14:57に書いたブログ記事です。

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