マニュアル(皇紀弐千六百七十七年六月十日 四)

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 これを書いたら+6です。

 過去の、親父さんのことを書いたブログを拾つてゐると、こんなのも出てきました。タイトルは「良い人間を強い人間に」です。平成十九(2007年)年二月六日の記事です。

  私と一緒に仕事をしていただいている会社には、それぞれたくさんの社員さん、スタッフさんがいらっしゃいます。ほとんどが、とってもいい人間です。だから、この人たちと一緒に、強い人間になれば、お互いにとてもいい人生を共有できることとなります。

  人間の基礎力を鍛えるには、まねる力、段取り力、コメント力(含む、質問力・要約力)を作ることだといわれています(BY斎藤孝先生)。

 そのためには、考える力が必要です。私がかつて勤めた、出光興産では、(かつては)「これ、どうしましょうか?」と先輩に聞くと、烈火のごとく怒 られました。「自分は、こうしたい」という話を持ってこいということを、新入社員の頃から言われました。今は、どうかしりませんが。

 やったこともない、わけもわからないことを考えることはとても苦しいことです。そこから逃げて、上司等の言うとおりにやった方がいいでしょう。でも、それでは人間が強くなりません。

 出光にいたときにこういうことがありました。卸市況がとても乱れている時期でした。業者間転売玉と、元売が欲しい卸価格との間にかなり開きがあ り、私の課の担当者が、「価格に関する会社の指針をつくって欲しい」と言いました。もっともな意見です。私は拒否しました。そんなことをしたら、相場観が 担当者から奪われるばかりか、お互いがお互いのことを親身になって考えるシーンが仕事からなくなってしまいます。考えなくなります。安易なマニュアル化 は、人間を堕落させるもっとも危険な仕事です。

 故宇佐美史郎氏に私が聞いたことがありました。「オヤジさん、こんなにたくさん、SSをつくって、それも、とても合理的なつくり方なので、マニュ アルつくったらどうですか?」 オヤジさんは、答えてくれませんでした。後日何かのときに、その話をしたら、「宝徳、マニュアルをつくったら、次につくる SSがよいSSにならない。マニュアルに頼って、人が育たなくなる」でした。

 クライアントの社員を見ても、私たちの若い頃と比べて、比べ物にならないくらい、優秀な人、優しい人、良い人がいます。しかしながら、世の中が、システム化・デジタル化してしまった結果、頼るものをほしがる傾向が強いように思われます。

 もっともっと、考えてもらえるシーンを用意し、良い人を強い人に育てていく環境の整備をしてあげることが大切です。
 
 収益環境が激変し、これまでの収益確保ができなくなった業種が多い中、システムやノウハウでは決して収益向上はしません。強い人づくり。自分のことも含めて、私のライフワークです。

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このページは、宝徳 健が2017年6月10日 05:18に書いたブログ記事です。

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