ルイスの轉換點(皇紀弐千六百七十七年七月十六日 五)

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 學生時代、經濟學を學んだとき、農村の労働力の話がありました。特に、イギリスがひどいイギリス病と呼ばれる事例をみながら。「へー、農村の労働力とは國家にとつてこんなに大切なんだ」と感じたことを覺へてゐます。

 ルイスの轉換點といふ言葉があります。
 農業を中心としてきた低開発國が、高度成長期になつたとき、農村の未活用の餘剰労働力が都市部に移動して製造業などに投入されるため、人件費は上昇しません。

 しかし、これはいつまでも續きません。工業化の進展に伴い、やがて餘剰が解消され、農業勞働力が不足に轉じます。この轉換點を超えると、賃金の上昇や勞働力不足により經濟成長が鈍化します。イギリスの經濟學者アーダー・ルイスが提唱しました。

 今の支那がちやうどさうです。

 支那はかつて「魔法のやうな國」といはれたことがあります。人を雇おうと思つて廣告を出すと、募集の何倍もの内陸の若者たちが次から次へと出稼ぎに來るので、いくら人を雇つても人件費が上がらないからです。
 
 支那は、2006年頃からこのルイスの轉換點を超えてゐます。ルイスの轉換點を過ぎると、求人難が起こり、それは人件費の高騰を招きます。全國各地で法定最低賃金が引き上げられ、もは
や現在の支那では、「ものを安く作れない」状況が生まれてきてゐます。

 見せかけのGDPのために投資を擴大させてゐるのが支那です。人が入らないマンション、飛ばない飛行機を作ってもGDPは増加します。それに加えて、ルイスの轉換點を過ぎてしまつた經濟。彼らは、生産をすることをせず、略奪でBSの資産を作っていきます。それがAIIBでありなんとか一路です。

 上海だけを見て支那經濟は發展してゐると思はないでください。略奪がをはれば、支那經濟は崩壊します。

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このページは、宝徳 健が2017年7月16日 05:03に書いたブログ記事です。

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