どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再35(皇紀弐千六百七十六年七月二十八日 四)

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 蟇六(ひきろく)が河に落ちたところまででした。
 信乃は義理の叔父ですから放っておくことができません。すばや着物を脱ぎ捨てて、水中に飛び込み蟇六をつかみました。蟇六は、信乃にすがりつくふりをして、水中に引っ張り込もうとします。同時に飛び込んだ、船頭も蟇六を助けるふりをしながら、信乃を水中に引っ張り込もうとします。
 泳ぎが得意な信乃は、船頭と蹴っ飛ばして、蟇六だけを引き上げ、右手で蟇六を抱え、左手だけを動かして岸に泳ぎ着きました。

 さて、これは芝居なのです。この間に左母二郎(さもじろう)は、信乃の脇差と蟇六の脇差の目釘を抜き取って入れ替えようとしたのです。つまり、銘刀村雨丸の刀の部分と蟇六の刀の部分を取り替えようとしたのです。でも、村雨丸を抜くと、それはそれは素晴らしい刀ではありませんか。自分の出世のためにもその刀が欲しくなり、自分の刀を蟇六の刀におさめ、村雨丸と自分の刀におさめ、自分の刀を信乃の刀におさめました。おさめました・・・? セットしたと思ってください。

 なんとまあ、ぐるだった蟇六も騙されてしまったのです。悪い人は信用してはいけませんね。どうなることやら。つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年7月28日 08:12に書いたブログ記事です。

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