戰國策 再45(皇紀弐千六百七十七年十一月二十九日 參)

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 今日は、「へたな横ヤリ」です。戦国時代です。でも、戦争ばかりしているのかというと、そうではありません。戦争をすると国力を消耗します。何よ りも国が滅亡するかもしれません。ですから、外交がとても盛んになります。説客(ぜいかく)は、そんな外交を引き受けた一匹狼です。舌先三寸で生きている のです。
 へたすれば殺されますから、説客も必死です。
  斉の宰相の田嬰(でんえい)を薛(せつ)の領主に奉じようとしました。かねてから田嬰を目の敵にしていた楚王は、この知らせを聞いてカンカンに怒 り、斉討伐の軍を起こそうとしました。おそれをなした斉王は、この人事をとりやめにしようとしました。このとき、ある一人の説客が、田嬰に申し出ました。

説「薛の領主になれるかどうかは、楚の出方いかんにかかっています。ひとつ、私が楚王を説得して、あなたが薛の領主になることを斉王よびむしろ強く希望するよう耕作してさしあげましょう」

田「なにぶん、よろしくたのむ」

 説客は、楚に向かい、楚王にこう進言しました。

説「貴国が、魯・宋両国を臣従させながら、斉を臣従させえないでいるのはなぜでしょうか。魯・宋は小国、斉は大国だからです。王は、魯・宋が小国で あることを利としながら、何故に、大国斉の地を削ることを望まれないのですか。今、斉は、わざわざ領地を割いて田嬰に与えようとしています。これは、自ら 国力を弱めるようなもの。へたに横ヤリなど入れぬほうが得策ではありませんか」


楚王「なるほど」

 かくて、田嬰は、めでたく薛の領主になりました。


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このページは、宝徳 健が2017年11月29日 06:19に書いたブログ記事です。

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