どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再29(皇紀弐千六百七十七年七月四日 參)

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 糠助が亡くなりました。
 糠助がいなくなった空家を網乾左母二郎(あぼしさもじろう)という若い浪人が買って入りました。この男が実に悪い男なのです。

 色白の色男で、書道もたくみ、芸も達者。犬塚番作が亡くなって、村に手習いの師匠がいなくなってしまっていたので、子供を集めて手習いを教え、女の子には歌や踊りを教えました。あちこちの娘や後家にも手を出しました。

 さてそのころ、領主の陣代が多数の家来を連れて、領内を巡視しました。ある夜、その一行は、村長の蟇六(ひきろく)の家に宿泊しました。

 さあ、それは、取り入るのがうまい蟇六のことです。前々から準備万端怠りなく、盛大な宴会を催して歓迎しました。亀篠も、網乾左母二郎(あぼしさもじろう)を読んで、歌と芸でもてはやし、浜路には、はでな色っぽい服を着せて、宴席にはべらせました。

 浜路は見も知らぬ男達になれなれしく声をかけられ、左母二郎のような男と並んで、琴を弾いたら、信乃はなんと思うだろうかときがきでなりません。でも、親の言うがままにしていると、陣代が浜路に目をつけました。浜路の美しさにうっとりです。

 さ~あ、し~らないっと。つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年7月 4日 07:39に書いたブログ記事です。

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