どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再46(皇紀弐千六百七十七年八月二十九日 參)

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 村雨丸が偽者であることに気づいた信乃です。でも、登城命令が来ました。さあ、どうする信乃。
 衣裳をあらため、城に入った信乃は、滝見の間に通されました。大将、足利成氏は御簾の向こうにいます。その下には重臣たちが並びます。廊下には武装した武士数十人が警戒にあたっています。

執権「結城の城にて戦士せる、旧臣大塚匠作の孫、犬塚信乃、亡父番作の遺言により、当家の重宝村雨丸の一腰を献上のこと、神妙に思し召さる。村雨丸を差し出したまえ」

信乃「かねてからかの銘刀を盗もうと隙をうかがっていた輩がおりました。今朝、刃の埃をぬぐおうと、引き抜いてみましたところ、なまくら刀にすりかえられておりました。数日の猶予をたまわりて、本物の村雨丸を取り返しとうございます。なにとぞ、お許しを賜りますようお願い申し上げます」

執権「何を寝ぼけたことを申すか。さては、こやつは敵のまわしもの。みなの者、こやつを生け捕れ」

 廊下に並んでいた武士たちは、どっと信乃におそいかかります。でも、信乃の強さは並ではありません。かかってくる武士、かかってくる武士を蹴倒し、投げ飛ばします。成氏は、「殺してしまえ」と叫びます。

 武士達は刀を抜きました。信乃は刃をかいくぐり、一人の武士から刀を奪います。たちまち、九人を切り伏せ、十余人に傷を負わせました。庭に飛び出し、松ノ木を伝って、ひらりと屋根に飛び移りました。

 さて、信乃は逃げ切れるのでしょうか。つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年8月29日 08:10に書いたブログ記事です。

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