戰國索 再43(皇紀弐千六百七十七年十月二十九日 參)

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 斉の国のエピソードを紹介しています。優勢な楚軍が南から斉に迫ってきています。今戦っては不利です。遊説の士・陳軫(ちんしん)が使者の役目を 買って楚におもむきます。彼は舌先ひとつで侵攻をやめさせようとします。まさに外交の冥利です。高校の教科書に載っていましたよね。
 楚の大将は魏軍をうち破って大将を殺し、そのまま軍を斉に向けてきます。
 陳軫は、斉王の使いとして楚の大将昭陽と会見しました。まずひざまずいて戦勝を祝って言いました。

「楚の国では、敵を破って大将を殺せば、どれほどの官爵が得られますか」

昭陽「さよう、官は上柱国、爵は上執珪(じょうしつけい)じゃなあ」
陳軫「それよりも上は、なんですか」
「令尹(れいいん:総理大臣)だけだなぁ」
陳軫「なるほど令尹だけですな。令尹といえばたいしたもの。しかし、二人もおくわけにはまいりますまい。ひとつ例え話を申し上げましょう。楚の国のある家 で祝い事があり、奉公人に大杯一杯の酒が振舞われることになりました。「みんなで飲むと足りないが、一人分ならタップリある。それぞれ地面に蛇の絵を画 き、先に画き終えた者が飲むことにしよう」

 相談がまとまりました。最初に画き終った男がのどを鳴らして、左手で大杯を引き寄せ、右手でなおも書き足しながが、叫びました。

「どうだい、足まで画けるぞ」

 足までできないうちに、次に画き終った男が、大杯を奪い取って、

「蛇には足はない。足を画いたら蛇の絵じゃないよ」

 足まで画いた男は、みすみす酒を飲みそこなったのです。

 さて、あなたは楚の大臣となって魏を攻め、敵を破って大将を殺し、城を八つも攻略しました。その勢いに乗じて斉まで攻めようとしています。斉では あなたをたいへん恐れています。功名は、もはやこれで十分ではないでしょうか。これ以上勝っても令尹にはなれません。勝って調子に乗りすぎると、身の破滅 を招きましょう。せっかくもらえる爵位も人にとられてしまいます。それはちょうど蛇足を画くようなものです」

 昭陽はなるほどと思い、兵を引きました。

 外交とはなんとダイナミックなものでしょう。軍事力が背景にある外交は、平和をもたらしますね。

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このページは、宝徳 健が2017年10月29日 08:56に書いたブログ記事です。

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