どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 56(皇紀弐千六百七十七年十月三日 參)

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 信乃を引き渡すように言われて途方にくれている小文吾のところに、修験者、妹、その子とお姑さんが帰ってきました。


義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵


忠:犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶんご) 行徳の旅籠屋の息子
 房八と妹ぬいの夫婦仲はとてもよいのです。嫁と姑の仲も悪くない。なのに、離縁を言い渡されて帰って来たのでした。姑さんは、孫がちょっと身障者なのでかわいそうでついてきたのです。

 ぬいは、何かを差し出しました。小文吾は、離縁状かと思いました。でも、見てはっと驚きました。それは、三行半ではなく、信乃の人相書きだったのです。

 そこへ、そこへ、房八が刀を腰に差して入ってきたではありませんか。

「女房は離縁したけれど、嫁入りに持参した道具を返さずにいては、欲深いと思われるから、返しに着たぞ! さあ、受け取れ、その中でもほしいのはこれだろう!」

と房八は何かを投げ出しました。それを見て、小文吾は驚きました。血に汚れた麻衣、つまり、昨日、自分が落とした信乃の服だったのです。房八が言います。

「さぞ、ほしかろう。ほしいはずだぜ。昨夜入江の葦原で拾ったわ。女房を離縁したのもじつはまき沿いを喰いたくないからよ。犬塚信乃はここにいるはずだ。訴え出れば、おれはご褒美に酒手をいただき、貴様も村長屋敷に捕まっている親を釈放してもらえるだろうが。さっさと信乃をおれに引き渡せ!」


 なんという展開!!! どうなることやら。続く。

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このページは、宝徳 健が2017年10月 3日 07:51に書いたブログ記事です。

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