どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 57(皇紀弐千六百七十七年十月四日 四)

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 小文吾の妹のぬいが離縁されて帰ってきました。そこに亭主の房八が来て、信乃を差し出せというところまででした。


義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵


忠:犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶんご) 行徳の旅籠屋の息子
 小文吾は信乃を渡すわけには行きません。房八と大乱闘になりました。その大乱闘の巻き添えを食って、ぬいと子供は死んでしまいます。そして、大乱闘の末、小文吾は房八を倒します。

 でも、ここからが意外な展開。房八が小文吾に言いました。

「のう、兄さん。昨年なくなった親父が臨終の際に言い残したことがあってのう。親父は、自分が犯してきた罪が不自由な孫が生まれてきた原因なので、なんとかその善行を施して罪をつぐないたいとのお。そうこうしているうちに、昨夜、兄さんと、信乃どのたちのやり取りを入江で聞いてしまってのお。いくらお上に言われても、大切な人を売ってしまうような兄さんではないと思ったんだ。でも、人相書きを見てびっくりしたんだ。俺と信乃どのは顔がそっくりではないか。では、親父殿が言い残した罪をつぐなう絶好の機会だと思い、わざと兄さんに切られたんだ。俺の首を信乃どのの首として差し出してくれ。女房と子供を図らずも殺してしまったが、一緒に天国に行ける。頼む、兄さん」

 小文吾は、感激の余り涙があふれてしまいました。

「房八、許してくれ。そんな事情と走らなかった。でも、犬死はさせぬぞ。そなたと、ぬいの血を五合混ぜ合わせて、信乃どのの破傷風の薬とすることにしよう」

 そこに修験者が現れて、ほら貝で薬をつくりました。

 信乃は助かるのでしょうか。つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年10月 3日 20:19に書いたブログ記事です。

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