この本は讀んではいけない(皇紀弐千六百七十七年十二月二日)

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 かの大戰を、侵略戰爭などといふことがいかに愚かかと云ふことは、我が國の歴史をきちんと學んでゐれば議論の餘地もありません。しかし、戦略・戦術についてはあまりにもおそまつ。

 クラウゼヴィッツも言っています。「作戰の失敗を戰闘の成功で取り戻すことは難しい」と。

 開戰どころか、支那事變(あれは日中戰爭ではない。戰爭とした方が支那共産黨が都合がよいからそう言はされてゐる)から開戰の処理がおそまつだった、周りの側近がソ連のスパイだらけだつた近衛文麿の責任です。そして、開戰後は、山本五十六の愚かさです。なぜ、世間が山本五十六を評價するかがわからない。

 帝國海軍の基本的な作戰は、潮減激撃作戦です。日露戰爭 日本海海戰で我が連合艦隊がバルッチク艦隊を迎へ撃つたときもさうでした。
 それを何が悲しくて、眞珠彎、ミッドウェー、ガダルカナル、レイテなどなど、何千キロも離れた海に、大艦隊を率いていかなければならないか。山本五十六と云ふのは、接待や海軍事務にはたけていたさうですが、作戰は、ど素人だつたやうです。そんな人間をなぜ、連合艦隊司令長官にしたのか。ハンモックナンバーですね。海軍大学の成績順で、もう、海軍での一生の出世が決まってしまひます。官僚主義です。

 我が國は石油が慾しかつた。なら、第一次列島線を世界最強の海軍で護つてゐればよかつた。そうすればアメリカ海軍は、こちらまでわざわざ來なくてはならなくなります。

 また、戰力の逐次投入といふ、戰爭では絶對にやつてはならないことも山本五十六はやりました。考へやうによつては、山本五十六は米國のスパイではないかとお思へるぐらい、我が國を敗戰に導きます。

 「たら・れば」の後智慧といふなかれ。こんなものは、軍人ではない私でもわかること。

  つまり、戰略ミスなんです。戰略のミスは、戰術の成功では取り戻せません。ましてや、戰闘でいくら成功しようとも勝てません。我が國の兵は優秀なので、上がどんなに戰略ミスをしても、戰闘では勝つてしまひます。それで、上は、「ああ、勝てるのか」とまた無謀な戰略・戰術を現場に押し付ける。

 話は變はります。「失敗の本質」といふ本があります。小池百合子が座右の書にしてゐるといふから讀んでみました。こんな本に金を出した!自分に腹が立ちます。

 ミッドウェー海戰やインパール作戰のだれだれの責任だとか、なんだとか、要は、戰術や戰闘の問題点・課題をあげつらねてゐる、超愚策です。こんな本を讀んでゐるから、小池百合子はああなるんですね。それこそ、物事の「本質」を見失つてゐる本です。まあ、物事の本質を見失ふとはどういふことかを學ぶために讀むのはいいですが・・・。
失敗の本質
 こんな本が14万分も賣れた? 絶對に讀んではいけません。

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宝徳先生

 こんにちは。
 つい最近、読んじゃったよ~!確たる戦略とクルーの意思統一が無ければ、我々の舟は沈むぞ、と社員に話しました。(もっとも、戦略・グランドデザインは我々管理者が明確に描き、示すものでしょうが・・・。やるかやらないか、判断って難しいですよね。)
 みんなの気持ちをまとめるにはいい材料と思ったので、紹介しました。皆、聞いてくれたかなぁ?
 誰が正しいかではなく、何が正しいか、これまた見極めるには自分を鍛えないと、なおさら難しいですね。う~ん、頑張ります!

orkさん、コメント感謝します。文章が力強い本ですものね~。きちんと書くことも書いてあるし。95%正しくて5%で読んだり聞いたりする人を落としていく。力強い文章を書く著者や、人を扇動するキャスター・コメンテータがよく使う手です。

 あと、戦略も戦術も、運用レベルの問題が大きいですね。リーダーが一番悩むところです。

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このページは、宝徳 健が2017年12月 2日 05:17に書いたブログ記事です。

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