どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再76(皇紀弐千六百七十七年十二月二十八日 六)

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 千葉家の家老に監禁状態におかれた、悌の玉を持つ小文吾でした。


仁:犬江親兵衛(いぬえしんべえ) 犬田小文吾の妹ぬいの子供
義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵


忠: 犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、 信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶ んご) 行徳の旅籠屋の息子
 あせってもどうにもなりません。秋が深まり、冬が訪れ、年が明け、春になって庭の花もいろいろ美しく咲き出します。掃除の下男たちも終日草刈などに忙しくなりました。その下男の一人の品七(しなしち)という老人と、小文吾は親しくなりました。

 あれこれと話をするうちに、大塚村の糠助(信の玉をもつ犬飼現八の父。信乃の隣に住んでいた)とその老人が知り合いだったことがわかりました。一層親しみがわきます。

 品七が言いました。

「ここの家老は、殿様さえはばかるほどの実力者だが、実におそろしい人だよ」と言い出しました。そして、周りをよく見回した上で、次のように語りました。

「殿様がまだ若く二男として別の城にいたころ、千葉家では二人の家老が実権を握っていました。今の家老は、長男に仕えていましたが、長男は病弱で家督を弟にゆずるという考えをしていることを知りました。そこで、今の家老は一計を案じたのです。城からひそかに、秘蔵の名笛「あらし山」を持ち出しました。それを、当時の家老の一人に渡したのです。そして、『千葉家安泰のためにこの、あらし山を、古河に献上したほうがよい』と伝えました。その家老は、今の殿様のところに行き、その旨を伝えました。すると、殿様は喜んで、名刀を二振りつけて、古河に献上するように命じました」

「うん、それで?」

「今の家老は、当時の家老が出かけたのを見計らって、殿様のところに行きました。殿様は、よい知恵を当時の家老に伝えてくれたお礼を今の家老に言いましたが、今の家老は、「それはおかしい。私はそんなことを言ったことはない。そういえば、あらし山は、以前、家老がちょっと貸してくれと持ち出したことがありました。そのまま、名刀と一緒に、古河に自分の手柄として献上し、千葉家を乗っ取るつもりなのではないでしょうか」

 さあ、殿様は激昂します。どうなるのでしょうか。つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年12月30日 09:39に書いたブログ記事です。

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