どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再78(皇紀弐千六百七十八年一月三日 四)

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 なかなか七人目が出てきませんね。もうすぐ出てきますから、今しばらくの辛抱です。小文吾に家老のいろいろな話をした、下男の老人が毒殺されてしまいました。

仁:犬江親兵衛(いぬえしんべえ) 犬田小文吾の妹ぬいの子供
義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵


忠: 犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、 信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶ んご) 行徳の旅籠屋の息子
 小文吾は、自分の身も危ういと、食事をするときは、「悌の玉」を嘗めながら食べました。霊玉の力で毒を祓いながら食べたので、何もおきませんでした。

 家老は、今の殿様を廃して、自分の子供を殿様にしようという野望を持っていました。邪魔な小文吾の食べ物に毒を盛ってみましたが、さっぱり効き目がありません。いっそのこと、自分の手下にしようと考えました。そのためには、女で釣るのがよいという考え方です。

 家老は、美人の妾を何人もかかえていましたが、旅廻りの女田楽を招いて酒宴の席で踊り歌うのを見物するのも隙でした。たまたま招いた女田楽の中に、旦開野(あさけの)という十六ばかりの少女がいました。容貌もずぬけて美しく、踊りや歌もじょうずだったので、その少女をとどめおいています。その少女をあてがおうとしたのです。当然ですよね。家老の妾のおてつき年増女なんてもらってもしょうがない。

 ある日、家老は、小文吾にいいました。「半年にもなるのに、事件はいっこうに解決しません。今夜はお慰みに酒肴を用意しましたのでおいで下さい」。家老は小文吾を奥座敷に案内しました。

 酒宴には、家老と家老の妻、息子は家来がたくさんいました。家老は、みんなに小文吾を紹介し宴会がはじまりました。

 「さてさて、もうひとつ酒肴がござるぞ」と家老が言うと、隣の部屋から、大小の鼓、笛を鳴らす女達が美しく装って縁側に居並ぶと続いてまことにあでやかな舞衣をつけた美少女が座敷に現れました。旦開野(あさけの)です。きりっとした目鼻立ちに朱い唇、なよなよとした腰は風になびく柳のごとく、姿は一本だけ立っている花のようでした。一座茫然、陶然としてその美しさに酔いながら、どの目も旦開野(あさけの)の動きに惹きつけられています。

 旦開野のおどりも終ったころ、小文吾が堆積しようとすると、家老が呼び止めました。
家老は小文吾に何を言うのでしょうか? つづく。

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このページは、宝徳 健が2018年1月 2日 20:24に書いたブログ記事です。

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