どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再79(皇紀弐千六百七十八年一月五日 四)

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 悌の玉を持つ小文吾を毒殺しようとした家老ですが、それがかなわないので、抱き込もうと試みます。小文吾は巻き込まれるのか!

仁:犬江親兵衛(いぬえしんべえ) 犬田小文吾の妹ぬいの子供
義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵


忠: 犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、 信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶ んご) 行徳の旅籠屋の息子
 小文吾を引き止めた家老は、小文吾を外に連れ出しに耳打ちします。

「極秘の話だが、今の殿様は暗愚の将なのだ。このままでは隣国に滅ぼされるかも知れぬ。それがちもまた千葉一族ゆえ、取って代わっても差し支えございまるまい。殿様に詰め腹を切らせ、それがしの息子をあたらしく殿様にしようと考えているのじゃ。そなたに軍師になってくれるとうれしいのじゃがのお」

 小文吾は答えました。

「それは迷惑のお話。それがしは、武芸が好きだけで文盲同然」

 断られた家老は、今の話は冗談だと、はぐらかしました。

 それ以来、小文吾は夜昼油断なく警戒していましたが、いつか五月雨の季節となって十日ばかりたったころ、その夜は珍しい五月晴れで月がくれいに、あたりをくまなく照らしていました。連日警戒していた小文吾は疲れが出たらしくうとうととしてしまいました。

 そのとき!

 障子に映る人影が!!! 小文吾はパっと目を覚まし「しまった」と思いました。そのときです、外で「アッ」と叫んでドシンと倒れる人の音がしました。小文吾が外に出てみると、刀を手にした曲者が倒れています。誰かが、小文吾のために、やっつけてくれたのです。

 月の光を頼りに、その倒れている曲者をよく見ると、家老の寵愛の臣下ではありませんか。これを家老に知られたら一大事。小文吾は、死骸に庭石をくくりつけ、庭の大きな池にしずめました。

 そのとき、人影が・・・・。誰だ・・・・。つづく。

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このページは、宝徳 健が2018年1月 4日 21:01に書いたブログ記事です。

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