どの本よりわかりやすい南総里見発見伝 再96(皇紀弐千六百七十八年四月二三日 弐)

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 角太郎の父になりすました妖怪とその妖怪の息子や家来に現八が取り囲まれたところまででした(20100428)。

仁:犬江親兵衛(いぬえしんべえ) 犬田小文吾の妹ぬいの子供
義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵
礼:きっと角太郎ですね。犬士になったときの名前はまだわかりませ ん
智::犬坂毛野(いぬさかけの) 小文吾が軟禁されているときに助けた女に化けていた犬士
忠: 犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、 信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶ んご) 行徳の旅籠屋の息子
現八はなんとかその囲みを脱出し、角太郎の家に逃げ込みました。心配していた角太郎と雛菊は、素早く、現八を戸棚に隠しました。

 そこへ一味がやってきて、現八を出せと迫ります。角太郎は拒否します。まさに、一触即発です。そこへ「待て待て~」と妖怪と船虫の夫婦がやってきます。

 妖怪と船虫は、一味をなだめたあと、角太郎夫婦と仲直りをしようと言い出しました。妖怪を実の父と思い込んでいる角太郎は、とびあがって喜びます。雛菊ももちろん喜びます。一行は酒を酌み交わし始めました。

 ところが・・・。

妖怪「さきほど、親孝行したいと角太郎は申したが、雛菊はどうじゃ」

 雛菊はもちろん承諾します。

妖怪「何でも言うことを聞くといったな。では、そなたの持っているものを所望しよう」
角太郎「この通り貧乏ですので、何も持ち物はございません」
妖怪「なあに、あるさ、雛菊の胎内にいる子供を出してくれ。わしは一昨夜、あやまって左の眼をいためた(現八に矢で打ち抜かれたため)。医師に診せたところ、眼の病には妙薬がある。百年間、土の中に埋もれていたマタタビの粉末と四ヶ月以上の胎児の生肝とその母の心臓の血をとって練り合わせて服用すれば、眼は全快するとのことじゃ。マタタビは手に入れた。残るは胎児の生肝とその母の心臓の血じゃ。さあ、角太郎、雛菊。さあ、さあ、早く、早く。先ほど親孝行するためにはどんなことでもすると申したではないか」

 なんちゅうやつでしょう!

 角太郎はそれを拒みますが、雛菊は、覚悟を決めて、刀を自分の乳房に突き立てました。さって、血潮がほとばしります。同時に、雛菊の胎内に入っていた、角太郎の霊玉が、すごい勢いで、正面の妖怪にぶち当たりました。

 さすが角太郎の霊玉の力です。妖怪は死んでしまいました。

 妖怪の一味と船虫は、怒って、角太郎に襲い掛かります。角太郎は自分が父を殺してしまったと思っていますから、反撃にも力がありません。そのとき、それに加勢しようと、戸棚から現八が飛び出してきました。さあ、どうなることでしょうか。つづく。

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このページは、宝徳 健が2018年4月 3日 03:28に書いたブログ記事です。

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