カウンセリングの技法 再24(皇紀弐千六百七十八年四月三日 參)

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 カウンセリングには三段階がありました(20101025)。

①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする
 
 リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」「質問」を勉強しました。

 今は、③適切な「処置」の中の「コンサルテーション」を勉強しています。コンサルテーションには①情報提供と②アドバイスがありました。前回は情報提供でPNPの方法を勉強しました。今日からアドバイスに入りましょう。



 情報を提供してそれに気づくクライエントもいれば、既に情報は持っているのに、それをどう料理して食べればいいかがわからないクライエントもいます。クライエントがこのどっちなのかをしっかり見極めるのもカウンセラーとして大切な要素です。

 上司や親もそうですね。この二つのどちらかを見極めて部下や子供に接しないと、結末はおじゃんになります。

 アドバイスに入る前に、カウンセラーの覚悟というものを勉強しましょう。

 ある人が結核になりました。まだ手術も薬も開発途上の時代です。医師は手術しても助かる見込みは半分だと言いました。その患者は迷ったあげく、親友の医者に相談しに行きました。親友は「手術しろ」とすすめました。そのおかげでその人は生き延びることができました。手術が成功したのです。その親友が後で言うには「俺は手術を受けろとすすめたが、万一手術が失敗してお前が死んだ場合、お前の妻子の生活の面倒を見てやるつもりだった」と。

 アドバイスというのはこれほど覚悟がいるものなのですね。

 また、アドバイスを強制すべきときもあります。それは生命の危険にかかわる場合です。

 アドバイスにもいろいろと手法はありますが、それは次回に回して、アドバイスするときに一番不安な事を取り除いておきましょう。

 アドバイスしても何の効果もないとき、または、全然予期しない問題が発生して、クライエントが困惑したときはどうすればいいのかという問題です。

 これまでのこのシリーズを思い出してください。カウンセリングでもっとも大切なのはリレーションでした。だから、こういう状況に陥ったら、アドバイス前のリレーションに再び戻って、一緒に漂えばいいのです。カウンセラーが一人で解答を背負う必要はありません。カウンセリングとは二人でひとつの問題を背負う共同作業でした。人生において一番大切なのはリレーションです。突破口が見つからないときでも、一緒に付き合ってくれる人がいると、クライエントにとっては勇気と希望の源泉となるのです。

 論語にもありますね。「子曰わく、君子は之を由(よ)らしむべし、之を知らしむべからず」と。この言葉はずいぶん誤解されて使われているのですが、正しい解釈を現代風に言うと「リーダーは、ひとつひとつのことを、部下に細かく教える前に、しっかりと部下の心をつかみなさい」ということです。信頼があれば細かいことはいいということでしょう。

 この気持ちをベースに次回は、アドバイスの細かい手法を勉強しましょう。

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このページは、宝徳 健が2018年4月 3日 03:31に書いたブログ記事です。

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