源氏物語 再22(皇紀弐千六百七十八年五月廿日 六)

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 空蟬が遠くに行つてしまつたので、氣落ちした光源氏です(20160807)。

 當時は、云ふまでもなく通婚です。光源氏の正妻 葵の上は、左大臣家の娘です。光源氏が訪ねて行くとそれはそれは歡待してくれるのですが、光源氏は、今ひとつ、葵の上となじめません。政略結婚である上に、年上ですし、氣位も髙いからです。葵の上もそんなに光源氏が好きではありません。
 だからどうしても足が遠のきます。

 一時、かよひつめた六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)も、出自は最髙、敎養も髙い。人柄も立派ですが、一途で眞面目です。浮氣は嚴禁です。光源氏は、少々敬遠氣味です。

 といふことで、光源氏は夕顔の事が氣になつてしかたがありません。

「どういふ人なんだらう」

 それなりの軆分の女性みたいです。でも素性がわかりません。生活は質素。あへて軆分を隠してゐるところがあります。う~ん、でも、センスは惡くないみたいです。

 やがて、惟光のはからいで、光源氏は夕顔のところに通ふやうになりました。でも、夕顔はなびいてきません。

「ふん、それほどのおんなのかい」

 光源氏はへそをまげます。でも、氣になります。不思議な魅力を感じ、どんどん深入りしていきます。

 八月十五日、満月の冴えるわたる日に、光源氏は、つひに、夕顔を契りをかはしました。

光「近くにゆつくりできる館がありますから行きませんか?」
夕「今からですか?」
光「いいから、いいから」

 日常を離れた密かなアバンチュールです。

 さあ、この館で事件が起きます。 つづく

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このページは、宝徳 健が2018年5月20日 08:14に書いたブログ記事です。

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