どの本よりわかりやすい南総里見発見伝 再99(皇紀弐千六百七十八年五月四日 參)

| コメント(0) | トラックバック(0)
 逸東太が、船虫を抱いてしまいました。朝目覚めると・・・(20100501)。

義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵
礼:犬村大角(いぬむらだいかく) 現八と出会った、妖怪に騙され ていた人
智::犬坂毛野(いぬさかけの) 小文吾が軟禁されているときに助けた女に化けていた犬士
忠: 犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、 信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶ んご) 行徳の旅籠屋の息子
 なんと、船虫は逃げ出していません。それどころか、主君から与えられた名刀も三十両の旅費もありません。後の祭りです。逸東太は、悪い奴です。このまま城に帰ったら打ち首は間違いありません。そこで、敵方に自分の城の秘密を売ることで、敵方に仕えてしまいました。まあ、こんなものでしょう。それにしても、船虫はしぶといですね~。

 さて、話は大きく変わります。久しぶりに犬塚信乃の登場です。以前の騒動で、四犬士と別れてから、信乃は信濃路から越後・陸奥・出羽まで巡り歩きました。四年目の十一月末、甲斐の国に入りました。甲斐の山中で、あることをした縁で、ある村の村長の家に逗留することになりました。村長の後妻はなかなかの美人でしたが、十六になる浜路もういういしい美少女です。名前がなんと浜路なのです。懐かしいですね。

 ある夜、「太平記」をひもといて読んでいると、亡き浜路のことが偲ばれてため息をつきました。そのとき、背後から近づく足音があります。

信乃「どなたですか?」
浜路「浜路です」
信乃「この家のお嬢さんが何の用ですか」
浜路「私はこの家の娘ですが、今夜はここの娘ではありません。あなたと二世の契(ちぎ)りをかわした浜路です」

信乃「なんとおっしゃいます。たしかに故郷にいたとき、許婚の名も浜路と申しましたが、その女がなくなってから、はや四年。今のあなたの発言の意味がわかりません」

浜路「私は四年前の夏、あの左母二郎に殺されて円山塚の火の穴に葬られた浜路です。骨も砕けて土となりましたが、魂はずっとあなたにまつわりついていました。ただ、魂だけではどうにもならなかったけれど、この家の娘は名が私と同じだけでなく、顔かたちもわたくしに生き写し。あなたがわたしのため生涯妻を娶らないと誓いたもうた心のありがたさ、かたじけなさ、うえしさ。それほど私をお忘れになれないのなら、この娘を私と思って、今夜、夫婦の契りを結びたまえ」

信乃「男女が夜更けに二人だけで話していたら怪しまれる。早く向こうへ行きなさい」

浜路「どうしたあなたはそういうことをおっしゃるの? あなたは霊玉に守られています。私はこれ以上近くによれません。それにしても帰れとはむごいお言葉。あまりとはいえ薄情な」

 そこへ、村長の後妻(浜路の継母)が現れました。つづく。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.soepark.jp/mot/mt/mt-tb.cgi/7578

コメントする

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261

このブログ記事について

このページは、宝徳 健が2018年5月 4日 16:59に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「福岡髙校テニス部日誌 S(皇紀弐千六百七十八年五月四日 弐)」です。

次のブログ記事は「カウンセリングの技法 再30(皇紀弐千六百七十八年五月四日 四))」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。