カウンセリングの技法 再39(皇紀弐千六百七十八年五月二十七日 四)

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 カウンセリングには三段階がありました(20101210)。

①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする

 リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」「質問」を勉強しました。適切な処理をするために、情報提供とアドバイスがありました。これがカウンセリング体系です。

 面接中期の留意点を続けます。対抗感情移転を解説しています。大切なところなので、複数回に分けて解説しています。
 対抗感情移転を起こす第五の場合は、カウンセラーの欲望が来談者に向けられているときです。性的欲求、愛情欲求を魅力的なクライエントを通して満たしたい場合、社長であるクライエントの口ききで就職先を探したい場合、金持ちのクライエントに経済的援助を仰ぎたい場合などがその例です。こうなると援助関係が崩れ、普通の社交関係に変質してしまいます。言うべきことも言えなくなってしまいます。

 第六の場合は、カウンセラーに不安・恐怖があるときです。たとえば、クライエントに対して学歴上の劣等感がある。父や兄に対するような怖さが出てくる、異性のクライエントに対して、自分の性的感情が触発されそうになっている。などです。こういう場合、カウンセラーは、おとなしくなるか、反対に反動形成の心理で強気になるかのどちらかです。いずれも援助関係をゆがめてしまいます。理想を言えば、教育分析を受けてこういう私的な問題は乗り越えておく必要があります。
 
 対抗感情移転が起こる最後の原因として、カウンセラーの罪障感があります。たとえば、カウンセラーが遅刻してクライエントを待たせてしまった場合、カウンセラーは内心「悪いことをした」という負い目が生じます。負い目があると言うべき事も言わずじまいになります。あるいは、カウンセラーが勉強不足・準備不足で、出たとこ勝負の面接をする場合も、心の中でとがめがあるから迫力が出ません。

 くどくど述べてきましたが、対抗感情移転とは、カウンセラーがクライエントを助けるためでなく、自分を助けるために動くことです。したがって、面接もカウンセラーは自分の心理状況をときどきチェックする必要があります。すなわち、

①相手のために動いているのかどうか
②巻き込まれていないかどうか
③私情に左右されていないかどうか

 では、どういうチェックポイントがあるのかを次回紹介します。

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このページは、宝徳 健が2018年5月27日 06:18に書いたブログ記事です。

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