命の手紙 92(皇紀弐千六百七十八年六月四日 弐)

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 海軍のつづきです。
 7月15日、高知県の裏戸海軍航空隊に着任せよと転勤命令が発令された。土佐湾に米軍が上陸するだろうから警備が任務だ。

 これでオレは死ぬ。オレが死んだら親きょうだいは助かるなと思ったが、死ぬときは怖いだろうなあとも思った。ボクは臆病な兵隊だと思っていたが、戰後の同期会で話すとみな怖かったらしい。

 日の丸の旗を残して私物は全部焼いた。父から日本刀を送ったとの連絡があったが、朝鮮海峡で船がやられたのかどうか、届かなかった。

 同期生の運転するニッサンのトラックの助手席に乗って司令に高知への転勤を申告した。同期生に運転免許を持っている者がいたので驚く。

 7月14日道後国民学校の行動を借りて大壮行会が行われた。料理も酒類もあちらこちら走り回って体裁を整えた。

 飲んだ。 つづく

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このページは、宝徳 健が2018年6月 3日 15:59に書いたブログ記事です。

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