入院中でも懲りない男 心臓篇 再3(皇紀弐千六百七十八年八月十三日 六)

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 參年前の心臓病の時の闘病日誌です。

(皇紀弐千六百七十五年九月八日)

  この岐阜ハートセンターと云ふのはたいした病院です。いごこちがとてもよい。昨日、ある會社でコンサルを一緒にしてゐる方がお見舞いに來てくれました。「寶德先生、ここはすごいね。まるで接客業だね」と一瞬で見ぬいてゐました。

 技術的にもすごい。六時間に及ぶ心臓バイパス手術を、輸血なしで行います。それだけではなく、手術の次の日の昼から点滴がありません。手術の麻酔から覺めて、まだ意識がもうろうとしてゐるとき、医師と看護師の會話が耳に入りました。「先生、この後、点滴にはどの薬を入れたらいいですか?」「何時まで〇〇」「それ以降、▲▲などは?」「そんな藥が必要な手術はしていない」。

 では、いよいよ九月四日の手術日の闘病日誌です。
 800 ガミさん來院。

830 息子來院。もう口に出して云ふことはありませんが、やはり、かわいい。彼の顔を観るとホッとします。「男は、命がけの仕事をしている時は親の死に目でも來るな」とふだん偉さうに云つてゐる私ですが、いざ來てくれるとうれしいですね~。

900 家族に見守られ手術室へ。息子の笑顔が嬉しい。ああ、彼が生まれてからずつと、この笑顔に救はれてきたのだなあ。なら、今囘も、きつと救はれる。手術室に入って、右手首から麻酔を注射。「痛いのは、これだけですからね~」と看護婦さんの言葉。看護婦さんと話をしてゐるうちに麻酔が効いて、意識不明に。

1530 麻酔が覺める。一瞬自分は何をやつてゐるかわからない。ああ、さうだ、手術を受けてゐたんだった。自分で自分の軆をみることはできませんが、口には、呼吸器をさされ、軆中穴だらけなのはわかります。手術は900に終了したやうで、手術については、家族が説明を受けたやうでした。そこで、手術が大成功であることと、輸血をしなかったことを聞いたみたいです。バイパスも豫定より一本少なくて済んだやうです。 軆はとてもつらかつた。特に、口に挿入されてゐる、呼吸器はたまりませんでした。

2130 呼吸器が外れる。外すときもかなり苦しかったが、今か今かと待ち望んだこの瞬間。うれしかった。それから朝までの時間の長いこと。意識朦朧の中で、「今、何時ですか?」を看護婦さんに繰り返し聞いてゐたやうです。

 さあ、手術の次の日 九月五日になりました。つづく

 今? 快調です。昨日、5組の方がお見舞い&仕事の打ち合わせに來てくださいました。もちろん、院内なので、軆が樂なのはわかつてゐます(すぐに「また、無理をしている」と考えてくれる皆様へ:笑)。でも、明日以降書きますが、このリハビリ方針などは素晴らしい。医師・看護婦・藥剤師・技術者・事務の方々、その他サポーターの方々一體となつて医療體制。本當に素晴らしい。

 医療現場と云ふのは、難しいものです。医師・看護婦・藥剤師等々、國家資格を持つてゐる者の妙なプライドが病院のマネジメント現場を侵すケースが多々あります。それを見事なまでに統べてゐる當院は素晴らしい。

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このページは、宝徳 健が2018年8月13日 07:47に書いたブログ記事です。

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