千夜一冊物語17(皇紀弐千六百七十九年三月八日 弐)

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 これは岩波文庫ですが、筑摩書房からも出てゐます。大人は筑摩書房の方がいいかな。



 キプリングは、英國初のノーベル文学賞受賞者です。

 どきどきしながら樂しめる本です。
 インドを舞臺にした、壮絶なグレート・ゲーム(闇戰爭:大國間の諜報活動)をこれほど愉快に讀ませてくれる本はないでせう。

 インドを舞臺に、少年キムとその師匠(にあたる)チベットの坊さんが傳説の河を探して旅をします。まあ、それだけだつたら、退屈な宗教物語となるのですが、當時のインドはイギリスの植民地です。これが、この物語の味噌です。

 イギリスの植民地支配にとつて替はらうとするのがロシアです。海が欲しいロシアはとにかく海に面してゐる國が欲しくてしかたがありません。そのロシアとイギリスのグレート・ゲームにその少年が一躍担うことになります(實は、キムはイギリス人)。チベットの坊さんと一緒にいると怪しまれないだらうと。傳説の河を探す話、そして、ある人物からある人物へと情報を流すといふ諜報活動。この二つが物語の流れとなります。なんと言っても、キムがとても魅力的です。一氣に讀めます。


 軍事はいかん、核など議論することもままならぬ、スパイは卑怯だ・・・。我が國のインテリジェンスを考え直すよい題材でもあります。世界はそんなに甘くはありません。

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このページは、宝徳 健が2019年3月 8日 05:23に書いたブログ記事です。

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