現状主義と現場主義(皇紀弐千六百八十年 令和弐年五月二十二日)

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 コンサルティングをしているとよく、「現場はですね!」という言葉を聞きます。

 その言葉を言うならコンサル要らんやん。と思います。

 と、同時に思います。現状主義と現場主義は違うのになあと。
 現状主義とは、現在の状況の中だけで妙にどこからかお勉強材料を見つけてきて最適解を探すことです。

 現状がうまくいっているときはかまいませんが、下り調子のとき(つまり有事)だと後退するだけで、これを続けていけば滅亡します(倉山満氏)。

 現場主義とは、現状を把握したうえで最適解を探し、劣勢の場合には打開する勝負をするやり方です。

 現状主義は、官僚の設計主義です。結論が決まっているのに、いろいろ質問したりする人たちです。答えを自分で用意している(妙にスキルを勉強するから)のに、相手に質問する経営者が増えています。これはだめ。

 今、我が国をダメにしているのは、「現場」と言いながら「現状主義」の現象が企業においても出すぎていることです。

 故出光佐三店主は、この仕事の仕方を「出光の癌」と言って、非情にに嫌いました。

 最近は、本当に経営者が知識の勉強をするケースが多々あります。

 リーダーの仕事とは、「入ってきた情報に評価を下し、これをやれと指示をだすこと」だけです。

 つまり、経営者は評価を下す「能力開発」は必要ですが、知識は部下に任せないと。 部下が自分で考える能力がなくなってしまいます。

 昔、宇佐美の親父の社長室にいました。東北宇佐美の専務が親父に決済をもらいに来ました。

専「親父さん、これやっていいですか?」
親「おお」
専「だめなんですか?」
親「おお」

 専務は怒って社長室を出ていきました。

私「親父さん、なぜ結論を出してあげなかったんですか?」
親「俺が結論を出すとなあ、みんなが考えなくなるんだ」

 
 目から鱗が落ちました。

 私たちの世代は、どうやったらもういちどリーダーの感覚を取り戻せるんでしょう。

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このページは、宝徳 健が2020年5月22日 13:00に書いたブログ記事です。

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