インボイス制度が導入される頃には、クラウド会計システムがより多機能化していて、上述の不安は杞憂に終わることを期待しますが、いずれにしても、情報収集を継続する必要がありそうです。
さて、最終回。
インボイス制度による変化と免税事業者への経過措置
インボイス制度導入による最も大きな変化は、適格請求書発行事業者しかインボイス(適格請求書等)を発行できなくなることです。それによって、一番影響を受けるのは免税事業者になります。
中小企業や個人事業主、フリーランスなど、課税事業者を相手に取引を行うすべての免税事業者が価格競争の上で不利となります。そのため、思うように売上が得られない状況が始まることを覚悟する必要があるでしょう。
ただし、免税事業者が発行する請求書等であっても、ただちに仕入税額控除の対象から外れるわけではありません。経過措置として、インボイス制度の導入からしばらくの間は現行の「区分記載請求書等」であっても、一定割合の仕入税額控除が認められます。
経過措置 |
仕入控除の割合 |
2023年10月から2026年9月末まで |
2023年10月から2026年9月末まで |
2026年10月から2029年9月末まで |
仕入税額相当額の50% |
「適格請求書発行事業者」の登録について
課税事業者が適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、登録を受ける必要があります。なお、課税事業者でなければ登録を受けることはできません。免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請書に加えて「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となることが必要です。
登録申請書は、令和3年10月1日から提出できます。適格請求書等保存方式が導入される令和5年10月1日から登録を受けるためには、原則として令和5年3月 31 日まで(ただし、困難な事情がある場合には、令和5年9月30日まで)に登録申請書を提出しなくてはいけません。
なお、免税事業者が令和5年10月1日を含む課税期間中に登録を受けるには、登録を受けた日から課税事業者となる経過措置が設けられています。
とにかく準備をしましょうね。
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