雪下出麦(皇紀弐千六百八十年 令和弐年大晦日 弐)

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 明日から、七十二候 冬至 末候 雪下出麦 ゆきわたりてむぎのびる です。

 雪の下で麦が芽をだす頃です。浮き上がった芽を踏む「麦踏み」は日本独特の風習です。

麦踏 画像 に対する画像結果

 麦踏とは、早春に麦の目を踏みつける作業のことです。霜柱を防いで根張りをよくし、また、麦が伸びすぎないようにするために行います。

 麦ふみは麦の苗の部分を踏むことによって、茎が折れ曲がったり、傷がついたりして、水分を吸い上げる力が弱まり、麦の内部の水分量が少なくなるため、寒さや乾燥に強くなります。また、根の成長や増加を促進します。霜柱が土を持ち上げて、根を傷めることを防ぐ効果もあります。

 足で踏むことで浮き上がった土を押さえ、しっかり土に根を張らせ、まっすぐ伸びる丈夫な麦に育てることができます。昔は人の足で行なわれましたが、最近ではローラーをつけたトラクターも使われるようになりました。

 麦踏みは穀物栽培の中でも非常に特徴的なものであり、育った芽を踏みつけるという一種独特な農作業の一行程です。近代に入る前の昔の日本から現在まで麦踏みは行われ、「春の風物詩」としての文化的側面を持っていました。

 麦踏みは体力がいらず簡単にできる農作業であることから、昔から時期が来ると子どもたちも駆り出され、村のいたるところで行われていました。

 このように、麦踏みは早春の田園の風物詩でもあることから、俳句での春の季語としても認定されています。昔の日本文学でも麦踏みが作品内で挙げられることも多く、和歌をはじめとした歌にも歌われる題材です。

 麦は麦踏みによって踏まれて強く育つことから、「麦踏み」という言葉自体が精神性を併せ持ちます。春の麦踏みは、日本文化・精神文化の一つとして親しまれていま。我が國って素敵ですね。

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このページは、宝徳 健が2020年12月31日 06:26に書いたブログ記事です。

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