源氏物語145(皇紀弐千六百八十一年 令和三年七月十六日 五)

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 三条西実隆のように「大臣家」の生まれた者でも、「源氏物語の権威」という文化的プレミアムを利用すれば「大臣家の別格」まで昇りうります。三の条西実隆は、宗祇から「古今伝授」と受けました。この「古今伝授」」こそプラミアムです。古今伝授は古今和歌集だけでなく、源氏物語や伊勢物語などを含めた総合的な「王朝古典文学」の伝授でした。

 実隆が編集した家集の「再昌草 さいしょうしょう」があります。これをさらに発展させたものが「弄花証ろかしょう」です。

押し返し 思へやあだの 花鳥に 染めし心は 法(のり)ぞはるけき

 源氏物語は「花鳥」の使いであり、男と女の仲を取り持つ軟らかい内容である。この物語の真実は、人間世界の最高の悟りにも直結しています。

 ところで、源氏物語第40帖「御法 みのり」。光源氏最愛の女性紫の上がなくなる場面です。

薪(たきぎ)こる 思ひは今日を はじめにて この世に願ふ 法(のり)ぞはるけき



 この和歌を本歌取しながら、実隆は源氏物語に魅せられた一生を過ごした肖柏という人の人生をたたえています。

 ただ三条西実隆は、それだけでは満足できず、三條西家の源氏学の基礎となった「細流抄 さいりゅうしょう」をまとめています。

 さて、本文です。
 夕霧は、低い地位にすえられるし、猛勉強をさせられるし、釈然としませんが、ひたすら耐え忍んで四~五か月で史記を読み終えるほど大いに成果を上げました。学んでいた大学寮の試験も合格。光源氏をはじめみんなが涙するほど喜びました。

 光源氏は、学問にも十分関心の深い人でした。

 さて、内裏では、中宮を決める時期が迫っていました。








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このページは、宝徳 健が2021年7月16日 08:11に書いたブログ記事です。

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