インプリケーション(皇紀弐千六百八十一年 令和三年十二月二十九日 弐)

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 なんか、新型コロナウィルスパンデミックで、いろいろな横文字が出てきてわからなくなります(涙)。でも、流れには逆らわず、流されず、上手く乗らないと、収集した情報を間違ってつかんでしまいます。

 でも、多いなあ。

ブースター:これ後押しする人とか後援者の意味ではなかった?調べてみると、電圧の昇圧器。無線機の送受信用の増幅器。主ロケットに用いられる補助推進器。航空機の燃料に用いられる液圧を高める装置 なんて言う意味もあるそうな。だから新型コロナウィルスパンデミックでは、追加支援という意味で三回目の接種ブースター接種)だそうです。なるほど。

ブレイクスルー:ワクチンを接種した患者が、そのワクチンが予防するはずのものと同じ病原体に感染してしまうこと。つまり抗体がうまくできなかったのか。正式名称は(breakthrough infection)。

クラスター:これはもう一般的になってきましたね。でも、疫学においては、時間的および地理的の両方の観点で、近接して発生する特定の疾患または障害が異常に高い発生率である集団。

 では、インプリケーションは?
 インプリケーションとは、意味は、「含意」です。つまり、英語の別の意味で言うと「btween the hlines(行間を読む)」です。

 カタカナ語で「~インプリケーション」などと使われる場合は、「結果として生じている影響」「結果として意味すること」などと言った意味で使われます。新型コロナウィルスパンデミックでは、後者が使われます。

 リスク・コミュニケーションの著者岩田先生はこうおっしゃっています。「例えば、こういうインプリケーションを引き出そうとする人がたくさんいるかもしれません。『要するに、オミクロンでたくさん感染者がでるかもしれないけど、重症化リスクが低いんだから、あまり気することなくね? せっかくの年末年始なんだから、楽しくクリパとか、忘年会とか、新年会とか、陽気にやろうぜ』と。はい、そういう考え方は当然出てくるものと思われます。結局、感染者数が増えたって、重症化しにくいんだから、感染者数は問題ではない。しかし、やはり感染者数は問題なのです」。

 私の医者の友人に「変異株ってなんだ」と言うと、新型コロナウィルスの「弱毒化」だと答える人がほとんどです(専門医ではない)。本当に弱毒なら、前の株を駆逐しませよね。

 それに重症化率が低くても、感染力が高ければ、重症化数は増えます。もしオミクロン株の感染力がデルタ株の4倍なら、重症化数は倍になる。だから、インプリケーションは「オミクロンは、重症化しにくいけど、デルタより怖い」ということになります。

 ひとつ前のブログで、合成の誤謬という言葉を書きました。ミクロで正しいことでも、マクロで違うという意味です。だれかが「オミクロン?重症化率が低いからどうでもいいよ」とミクロの判断(インプリケーション)をしたとします。

 でも、感染力が高いので、マクロでみると、感染者数は増えるので、マイナス効果となって、合成の誤謬となります。

 今のような状況では、ただしいインプリケーションに基づく「リスク・コミュニケ―ション」が大切なのいです。(このテーマは続けて書きます)。

 私たちに必要なのは、専門家の意見ではありません。それに基づいた正しいインプリケーションとリスク・コミュニケーションです。

 厚生労働大臣が「まだ、広がっている時期ではない」と発言しました。なんのインプリケーションでもリスク・コミュニケーションでもありませんよね。

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このページは、宝徳 健が2021年12月29日 09:08に書いたブログ記事です。

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