アスリートたちの美しさ

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 昨日は、久しぶりに家に戻りました。息子が、たくさんいろいろなことを話してくれました。大川周明先生の二千六百年史と安岡正篤先生の日本精神の研究を持って帰ったら、読みたいから置いて行ってくれと言われました。
 私は、生きてきて、ひとつだけ「こうやってきてよかったな」と思うことがあります。それは、息子に「求めなかった」ことです。育つだけの環境整備は整えてきました(ひっそり与えてきました)。でも、彼にあれこれやれと言ったことがないですし、彼が決断することには、口を出したことがありません(相談して来れば答えますが、それもほとんどない)。もうすぐ社会に出るに当たり、ガミさんや、この前遊びに来た妹は、「相談に乗ってやったら」と言いますが、彼にその気がないのに、私がそれをしたら彼の決断を邪魔をすることになります。せっかっく今まで、「自分で考え、自分で行動し、自分で責任を取る」ということが出来ているのに、親が邪魔をする必要はありません。

 「求めなかった」ことから、「考えることが出來る」人間に成長してくれました。これで十分です。何も言わなかったのではありません。人間としての基本についてはきちんとお願いしました。「挨拶ができること」「靴を揃えられること」「手紙が書ける人間になること」「一人旅ができる男になること」。これらは、一緒に実践して二人で育みました。本は、お腹にいるころから読んであげていたので自然と読めるようになっています。

 仕事ではなかなかこうはいきません。人の脳に「こうやって考えたら」「こうしたら」ということを求めてしまいます。私の考えや都合が優先してしまいます。

 昨日、息子は部活が終わってから帰ってきたので、家に着いたのが20時半ぐらいでした。私は、17時半ぐらいに戻ったので、入浴・食事が終わってしばらく時間がありました。まだ、高校野球をやっていました。浦和学院対仙台育英です。どちらも名門ですし、浦和学院は春の覇者です。両者の対決がこんな早い段階というのはちょっともったいない気がしますが、とても素晴らしい試合でした。浦和学院 小島投手対仙台育英 上林選手の投打対決もとても気迫がこもっていました。

 最終回、小島投手が少し体を痛めたようでした。監督が伝令を送って投手交代を告げた時、彼は、監督の方を観て顔を小さく横に振りました。無念だったでしょう。涙が出そうになりました。監督も苦渋の決断だったでしょう。小島投手はまだ二年生です。ここで無理をさせて何かがあったら大変ですが、もちろん監督も小島投手の胸の内は十分わかっていたはずです。試合に敗れた後、小島投手が泣きじゃくって、監督が頭を撫でていました。頂点を目指したのみに許される涙です。

 その後、女子マラソンを観ました。野口みずき選手は素晴らしい。強さとは、勝利を収めるだけではなく、自分に敗けないでチャレンジし続けることだと教えてもらいました。福士選手、おめでとうございます。以前、あれだけ「マラソンでは通用しない」とメディアに叩かれたことに敗けないで・・・。メディアは勝手なものですね。

 一流とは、そこに存在するだけで人のお手本になる。

 そして、この一流が自ら育っていく過程、一流を育て上げる過程は、どの分野でも同じなのでしょう。

ゆるされる その涙観て 人々が 勇気と希望を その胸に秘む

 

 

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このページは、宝徳 健が2013年8月11日 11:23に書いたブログ記事です。

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