平成十七年(2005年)九月二十日に開始したブログの累計記事が、現在10,293通目です(後で数えなくていいように)。
このインタビュー記事を読んでくださると、私の今の仕事がよくわかります。
https://batonz.jp/partner_adviser/keieisenryakushitsu/
この前は、ホリエモンがいう「「認定放送持株会社を返上してMBOで非公開会社にすること」のメリットを書きました。では、デメリットはどうでしょう。
❶認定放送持株会社の枠外になることで、放送免許や系列局との関係に影響が出る可能性です。もともと認定放送持株会社から発していました。結構大きなもんだかも。
❷上場という資金調達手段が失われます。MBO(マネジメント・バイ・アウト:経営陣による自社買収)による資金調達が大変です。日本の企業は、欧米の経営者に比べたらバカ高い役員報酬は取りませんから、大金持ちが少ないのも事実です。
❸世論やスポンサーの反発が考えられます。公共性の高い放送事業が非公開かすることへの社会的批判が起こることが考えられます。
では、旧 村上ファンド側のメリットは?
❶もともと旧 村上ファンドの目的はキャピタルゲインです。ファンドというのはこういう案件をいくつも転がして儲けなければその存在意義(レーゾン・デートル)がありません。MBOによって、株式外を高く買い取ってもらえる可能性があるのは戦略の成功です。
❷非公開化によって経営陣が刷新されれば、ファンドの提案が間接的に実現する可能性があります。
デメリットは、
❶非公開化されれば、株主としての発言権や提案権が消滅します。キャピタルゲインが目的なので、株の売り時を計らなければなりません。元々株は、買い時より売り時が難しいと言われています。
❷MBOで提示された買収価格が期待の価格に届かないばあい、キャピタルゲインの目的を果たせないかもしれません。
❸「物言う株主」としての活動が、公共性の高い企業に対する過度な圧力とみなされるリスクがあります。
ホリエモンは、「買収防衛策を講じるぐらいなら、認定を返上してMBOで非公開すれば誰も文句を言わない」と言っていますが、FMHが公共性と経営の自由度のバランスをどう取るかという難しい選択です。
かつての我國の経営者のように常に国家レベルでものを考えていた方々なら常に事業と公共性のことは頭に経営をしていましたから(それが経営の自由度だと思っていた)これは担保されるのですが、今の多くの経営者はそうではないので、「上場」というこことはこう言うことも意味してきます。
新聞記事を読んだとき、特に若いサラリーマンは、こういうことには反応できるようになってください。もしかしたらあなたの会社の経営者がこう言う目に会うかもしれません。そのときあなたはどう対応しますか?
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